ホテル浦島の居酒屋「海つばめ」.

私は車やバイクで、ただ遠くまで走っていくのが好きです.遠くまで移動すること自体が何か特別な感じがします.それから、温泉も好きです.特に臭いがキツい硫黄泉が好きです.海の見える露天風呂なんか最高です.それから、居酒屋でビールも好きです.特に魚貝類をつまみにするのが好きです.飲んで食ったあとは、電車に乗って家まで帰らなきゃというのより、そのまま寝るのがシアワセです.そんな内容をすべてかなえてくれるのが、和歌山県の那智勝浦町にある「ホテル浦島」と、そのホテルの中にある居酒屋の「海つばめ」というお店です.


「ホテル浦島」というのは、ネットで見てもらえばわかると思いますけれど、海に突き出た半島にホテル棟を4つか5つくらい作って、それぞれに温泉を併設して、それを相互に連結した、温泉テーマパークというほどの巨大施設です.「忘帰洞」という、海に面した洞窟風呂が有名で自慢のようです.客室は500とか800とかくらいあって、メインのお客さんは団体旅行です.ホテル内には土産屋の他にも軽食店や居酒屋も入っていて、そのひとつが「海つばめ」という居酒屋です.宿泊プランは、基本的には団体客目当てのバイキング形式のものがほとんどなのですけれど、一部、「夕食なし朝食あり洋室一人部屋」というプランもあって、¥7000くらいで泊まることが出来ます.そのプランを予約したら、和歌山県に向かって出発です.


富山を出るのは朝の8時です.そこから、北陸道、名神、新名神、東名阪、伊勢道、紀勢道と乗り継いで(途中、新名神の土山SAで昼ご飯を食べます.11時半ころです)、終点の紀勢大内山インターでおります.そこから国道で勝浦を目指します.ホテル浦島の駐車場に着くのは、午後3時半くらいですね.そこから送迎バスで桟橋まで行って、そこからカメの形の遊覧船でホテルまで送ってもらいます.ホテルに着くのはちょうど午後4時くらい.ホテルに着いたらすぐに温泉に入りたいのですけれど、温泉の営業が4時からというところもあって、それくらいに到着するのがちょうどいいのです.


「海つばめ」の営業は午後6時からなので、それまで温泉を堪能します.私のオススメは、有名な「忘帰洞」よりも、海の岩場のギリギリにある「玄武洞」と、お湯がとても良い「磯の湯」です.ゆっくりたっぷり時間をかけて、温泉につかりながら、岩に砕ける波を見ていると、時間を忘れてしまいそうです.最後に時間調整を兼ねて「忘帰洞」に入って、6時ちょうどに温泉から出ると、目の前に開店したての「海つばめ」があるわけです.そこですかさず「生ビール」ですね.


オススメメニューはこんな感じ.

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生ビールとお通し.お通しは、クジラのテッパ(胸びれを茹でてスライスしたもの)と、ウツボの唐揚げ.美味しいです.

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お刺身は、少しずつたくさんの種類を食べたいので、盛り合わせにしてもらいます.バチマグロ、トンボマグロ、タコ、赤マンボウ、カツオ、イカ、ガスエビ、ハマチ、ながれこ、ヒオウギガイ、トウガラシエビ.

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ここに来たらこれを食べなければならない、シーシェパードが見たら卒倒しそうな、イルカのお造り.イルカ漁で有名な太地町は隣町です.私の大好物なので、今回は2人前.肝刺しのように、塩ゴマ油で食べるのが好きです.

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最初に注文しておいたマグロのカマの塩焼きが出来上がってきました.味も食べ応えも申し分ないです.値段も安いし.

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サービスで出してくれました、大アサリの鍋仕立て.アサリのダシが良く出ていてとても美味しかったです.

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これもサービスで出してくれました、マグロの卵の揚げ出し.マグロの卵なんて初めて食べました.不思議な食感です.

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ヨロリの塩焼き.ヨロリというのは、このあたりで獲れる深海魚だそうです.白身で脂がのっていて美味しいです.活きが良いのがあれば刺身もいけるそうです.顔はちょっと怖い、オオカミウオのような感じです.

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最後の締めに、梅を練り込んだ冷やしうどんを頂いたのですけれど、写真を取り忘れました.満腹であとは部屋に帰って寝るだけ、でもいいんですけれど、時間はまだ8時前なので、部屋でしばらく休んでから、寝る前にまた別の温泉に入りに行ってもいいです.


次の日の朝食は朝6時40分から.6時半に起きて一番に朝食会場に行きます.朝食はバイキングです.前の晩にしこたま食べたのと、その日の昼ご飯を美味しく頂くために、軽めに済ませます.食事が済んだら急いで用意を済ませてチェックアウトします.7時半にホテルを出て船に乗ってバスで駐車場まで送ってもらって、自分の車で出発するのが8時くらいです.国道を西に、白浜にある「とれとれ市場」という、漁協がやっている海鮮市場を目指します.ここでは毎日マグロの解体即売をやっているので、それが目当てです.8時に出発すると、だいたい11時前くらいに到着します.マグロの解体即売といっても、販売するマグロにはいろいろな種類があり、値段も違えば味も全く違います.私が目指すのは、養殖の本マグロで一度も冷凍していない生のヤツです.ですので、市場に到着したら、マグロ解体ステージに行って、お兄さんに「生の養殖本マグロの解体は何時くらいか」と確認します.だいたいいつも12時くらいですので、その前に早めの昼食を済ませます.食事用のスペースでは、うどんや丼物から、寿司や海鮮焼き、あとは自分の好きなおかずをトレーに取って、最後に会計をするスタイルもあります.私の定番は、?800のネギトロと、?200のクエハタ汁です.トロの刺身が?1500もするのに、ネギトロはとっても安くてすみますし、クエハタのあらでダシを取ったクエハタ汁は、?200とは思えない実にいい味です.時期でしたので、?250の釜揚げしらすも付けてみました.

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昨日の夕食の影響が残っているので、十分満腹です.


食事が終わったら、マグロ解体ステージのあたりで、解体即売がはじまるのを待ちます.ここでのオススメは、マグロのカマです.最初に頭を切り落として販売します.次がカマです.右のカマと、左のカマと、2つをつなぐ下あごのような部分と3つに分けられて販売されます.この部分、脂のノリは大トロ以上で、しかも霜降りになっていて絶品です.しかしこんなややこしいところ、いったいどうやって食べるの、という感じですけれど、肉が取れるところはきれいに取って刺身にしてくれます.取り切れないところは骨ごと3つか4つくらいに切ってもらいます.それを持って帰って食べれば、刺身では家族4人で十分満足できる分量があり(脂がすごいのでそんなに大量には食べられないです)、骨に残った身は、グリルで塩焼きにすると、きれいに簡単に食べられるようになります.もちろん鮮度も良くて味は絶品です.


マグロを買った後、昼過ぎころに「とれとれ市場」を出発すると、すぐに「南紀田辺インター」がありますので、そこから高速道路に乗ります.そこからトントコ走っていけば、午後6時くらいには富山に着きます.それから買ってきたマグロで晩ご飯です.さすがにいい加減疲れますけれど、長距離を走って温泉に入って美味しいものを満喫できる、今のところ私にとっては最高のツアーです.