今年の最初はコンニャク食べ比べです.

「ニセレバ刺し」ということで、去年の11月21日に書いていますけれど、うちの近所の「スーパーセンター」というスーパーマーケットで(本当にかなり巨大です)、部屋で晩酌用の湯豆腐にちょうど良い小さな豆腐はないものかと豆腐売り場を見ていたら、隣のコンニャク売り場に、なんと「ニセレバ刺し」が売っているではないですか.しかも3種類も.こういった商品は、ネットで検索してやっと手に入るモノだとばかり思っていたので、ちょっとビックリです.さっそく買ってきて試してみました.とはいうものの、毎日コンニャクばかり食べるのも苦しく(そもそもあまり美味しくないので気が進まないし)、かなり日をあけての食べ比べだったので、だいぶん時間がたってしまいました.

まずは、売っていた「ニセレバ刺し」3種.「こんにゃくレバ刺し」、「マンナンレバー」、「レバ刺し好きも絶賛のこんにゃく」です.

P1030539.JPG

以前食べた「マンナンレバー」以外は、パッケージにも力が入っていて、売る気満々です.

最初は、パッケージの見た目が一番美味しそうな「こんにゃくレバ刺し」から.

P1030540.JPG

かなり気合いの入ったパッケージで、パッケージを見る限りではとても美味しそうです.期待が高まります.

P1030541.JPG

パッケージの背面.ようするに、冷やして、水洗いをして、皿に盛って食べるだけです.

P1030542.JPG

パッケージ内部は意外とシンプルというか、外装の豪華さから見ると味気ないです.コンニャクにゴマ油をかけてゴマを振って食べるパターンかと思いきや、ゴマ油に見えるのは、ゴマ油と調味液のドレッシング状のモノです.食べてみるとわかりますが、味のかなめはこの調味液ですね.コンニャクの袋を開けてみますと、水には薄く色が付いているけれど、味はまったく無いです.そして、コンニャク自体がコンニャク臭いです.いわゆるコンニャクの臭いです.

P1030543.JPG

皿に盛って指定通りに調味液とゴマをかけると、予想外にレバ刺しっぽいです、と言いたい所ですが、写真で見るほど実物には本物っぽさはないです.ただ、工夫しているなと思ったのは、コンニャクの切断面がデロデロしていてレバーっぽいです.食べてみると、コンニャク自体に味はなくて、ゴマ油と一緒にかける調味液の味がすべてです.食べると調味液の味のみがして、コンニャク自体に味がないから、噛むほどに水っぽくなっていきます.飲み込むころには、ああ、生のコンニャクだなぁ、と思うくらい味気がないです.先日食べた「マンナンレバー」も味気ないなと思いましたけれど、これはさらに輪をかけて味気ないです.食感はコンニャクで、味は調味液とゴマ油でレバ刺しを再現しているので、口に入れて1噛み2噛みくらいでビールを流し込まないと、本当にあっという間に別の食べ物(本来のコンニャク)になってしまいます.ということで、おつまみとして食べるには、非常にせわしない感じになります.

つぎに、先日食べた「マンナンレバー」も、比較のためにもう一度食べてみました.

P1030544.JPG

パッケージはかなりサッパリしています.スーパーで売っているときはゴマ油とゴマは付属しておらず、本体のみの販売になります.

P1030545.JPG

背面もシンプルです.水を切って、ゴマ油と塩で食べるよう指定されています.

P1030547.JPG

皿に盛って、味塩コショウをかけてからゴマ油を振って、ゴマをかけるとこんな感じです(実はこの順番がけっこう大切で、ゴマ油を振ってから味塩コショウをかけると、全部ゴマ油の上に浮いたまま流れてしまって、口に入れたときに塩味がしなくなってしまいます).コンニャク臭さはまったく無いです.コンニャクの切断面はスッパーンとしていて、おおよそレバ刺しには見えません.箸でつまもうとしても、ツルツル滑ってしまってなかなか上手につまめません.食べてみると、やはり同じですね、食感はコンニャクで、味はゴマ油と塩で決まりますので、噛んでいるうちに速やかに味が消えてコンニャクに戻るのですが、この「マンナンレバー」は、コンニャク自体に薄く味が付いているので、飲み込むときにも「100%生コンニャクです」っていう感じからはちょっと違った感じになります.あくまでも食べ比べたらの話ですけれどね.これだけ食べたら、「ただのコンニャクやんか」という感想になると思います.

最後に、「レバ刺し好きも絶賛のこんにゃく」です.

P1030548.JPG

名前には気合いが入っていますね.「こんにゃく博物館監修」となっています.しかも、分量が他の2つの2倍ほどあります.

P1030549.JPG

背面を見ると、「フライパンで焼き肉風に」ってあるんですけれど、さすがにそれは無理があるだろうと思いますよ.

P1030550.JPG

袋を開けてみると、水には色が付いていないです.味もないです.全くの普通の水.しかし、コンニャク自体がコンニャク臭いです.皿に盛ってみると(これでパッケージの約半分の量)、断面のデロデロ具合と、形の不揃いさが、今までで最もレバ刺しっぽい雰囲気を醸し出しています.このあとで味塩コショウ、ゴマ油、白ごまをかけるのですが、そちらの写真は撮り忘れました.タレなどの付属品はないです.実際に食べてみると、やっぱり食べた瞬間から味が消えていき、最後はただのコンニャクになります.これも味が消えるスピードが速いため、かなり急いで追いかけるようにビールを飲まないと、ただカラ飲みをしているような状態になってしまいます.コンニャクの切断面がデロデロしているので箸の引っかかりがよく、3つのうちで一番食べやすいです.表面のザラザラのせいか、口に含んだ瞬間のレバーっぽさは、3つの中で最高と思います.ただ味が消えてしまうのがねぇ.

ということで、「ニセレバ刺し」を3種類食べ比べてみました.どれもレバ刺しを名乗るには少々無理があると思いますが、多少ですが味が最後まで残るのが「マンナンレバー」で、食べやすさと食感では「レバ刺し好きも絶賛のこんにゃく」ですかね.これらの良い点が合体してくれて、コンニャク自体にもう少し味が付くとか、うまみ成分を(味の素でもいいから)追加してもらえると、さらに良くなると思います.コンニャクに味を付けた状態で販売するのは、そんなに難しいことではないと思うのですけれど、各社出来ていないということは、何か技術的な困難がともなうのかも知れません.たくさん売れるようになって、ある程度の市場が形成されれば、各企業ももっと工夫を凝らした商品を開発してくれることでしょう.