「ドラゴンボールスピーカ」の制作.

|カテゴリ:
私はCubeの中で不満に思っていることがありました.それはスピーカ.確かにデザインはすばらしく、パソコン用のスピーカとしては、特にCubeとのマッチングはピカイチではあるのですが、その音がいまいちなのです.

何というか、いかにも金属板が鳴っているような、高音も出ていないし、かといって低音も出ていないし、安いラジカセの音というか、しいて言えば、昔、実家にあった黒電話の受話器の音みたいな音がするのです.デザインとはかけ離れた、貧相な音でした.

ですから、システム警告音(チーンというやつ)以外は鳴らすことはありませんでした.

ところが、ふと気が付くと、私の足下に、ブルーベリー色に輝く丸っこいものが8つ.iMacDVから外して取ってあったスピーカです.私は以前、iMac修理、販売をやっていたことがあったため、iMac関連のパーツをたくさん持っていました.そのパーツ、使えるものは売って、使えないものは捨てていたのですが、スピーカだけは、手元に残しておいたのです.あの何ともいえないグラマラスなデザインに惹かれたのもそうですが、あの小さなユニットからは想像も出来ないほど豊かできらびやかな音を奏でるスピーカを、いつか何かに使おうと思ってのことでした.

そしてその時が今なのでした.

Cubeの目玉を、8つの変な形のスピーカに交換しよう、と思い立ったのです.思い立ったら吉日です.すぐに行動開始.スピーカのインピーダンスがマッチングするかとか細かいことは気にしないことにしましょう.

ところで、スピーカの名前ですが、「Sound Stick」というのがありますよね.「Stick」は「棒」なので、少し大振りな今回のスピーカは「棍棒」くらいが良いかなと思い、翻訳サイトで「棍棒」を英訳すると、「Stick」.へ?と思い、同じサイトで「Stick」を和訳すると、「ステッキ」.やっぱり「棍棒」にならんじゃないか、と思い、違う翻訳サイトで試しても同じ結果に.そこで、「人を殴り殺すための棍棒」と入力して英訳してみると、「The stick for beating people to death」.どうやら英国紳士は、人を殴り殺す時にもステッキを使うらしい.

P1000199.JPG
 iMacDVのスピーカ.本日の新鮮素材、といった感じです.

P1000201.JPG
 とりあえず、ボディーとの連結部分の突起を切っていきます.切ったあとは、きれいにバリを取っておきます

P1000203.JPG
 まさに、これだけで完成された1つの製品のようなデザインです.これがiMacの筐体の中に隠れてしまっているのは非常にもったいないと思います.

P1000206.JPG
 本日の木材.いつものSPF材です.1×3の4フィートで¥284でした.

P1000208.JPG
 本日使用するドリル.

P1000209.JPG
 M5の皿ねじの頭を木材にめり込ませる必要があるため、φ10の木工ドリルで軽く削っておきます.

P1000211.JPG
 2.5mmで下穴を開けたあと、5mmの穴を開けます.

P1000212.JPG
 さすがに鉄工用の5mmでは反対側の木材が欠けてしまいました.

P1000213.JPG
 上が今回スピーカの固定に使うネジ.下がもともとスピーカの固定用に使われていたネジです.木材の厚さを考えて長めのネジを用意したはずなのですが、ネジの長さが足りないことが発覚.

P1000215.JPG
 しょうがないので、木材の方に穴を掘って、ネジの頭を10mmほどもぐらせることにしました.

P1000217.JPG
 iMacのスピーカって、すこし斜め上に向いているって知っていました?.私は今回初めて気が付きました.こんな細かい所まで気を使っていたんですね.

P1000218.JPG
 反対側のスピーカは、ちゃんと反対側に傾いています.

P1000219.JPG
 スピーカの固定完了.「たこ焼き焼けた」って感じです.

P1000220.JPG
 配線中です.4つのスピーカを直列つなぎの並列つなぎにします.接続部は熱収縮チューブで絶縁しています.

P1000222.JPG
 目玉スピーカをばらして、配線を外します.以外と細い線を使っていました.

P1000223.JPG
 配線を4つのスピーカと接続します.最後はビニールテープで絶縁しました.しかし、作業中ずーっとパソコンの電源入れっぱなし.活線作業だったんだけれどよかったのかな.

P1000221.JPG
 これが使用前.

P1000227.JPG
 これが使用後.

作業が終われば、お定まりの試聴です.つきなみですが、聞いてみてびっくりしました.

まず、音が全く違います.きらびやかな高音、ハリのある中音、低音はそこそこ.女性ボーカルなどを聞くと、息を吸い込む時の音などがリアルに聞こえてきますし、ジャズなどでは、ベースやギターの弦をはじく感じがとても良く伝わってきます.そして、スピーカが顔の真正面に来たことで、音像の定位が非常にはっきりしていますし、スピーカが画面の真横に並ぶので、DVDなどを見ると、とても臨場感のある音が楽しめます.

さすがに大きな音はダメです.ボリュームで1/3くらいまで、パソコンの前で一人で音楽を楽しむ程度の音でなければ、音の歪みが気になり出します.また、これは欠点のような利点なのですが、スピーカが小さいため、音が遠くまで届きません.ですから、パソコンの前では十分に聞こえるような音量でも、部屋を出てしまうとほとんど聞こえなくなります.つまり、夜中に一人で音楽を楽しむにはピッタリというわけです.

結果としては、大成功.これからは、iTunesで音楽を聴く機会も増えるでしょう.夜中に一人でDVD鑑賞もいいかもしれません.

ところで、このスピーカの名前ですが、どうも「棍棒」はダメみたいだし、見た目はちょっとグロテスクというか、エイリアンっぽい感じもするし、目玉にも見えないし、さてどうしたものかと考えている所に、4歳になる娘がやってきたので、「これ何に見える?」と聞くと、「ドラゴンボール」.

なんでも、先日のバス遠足の帰りに、バスの中でドラゴンボールのビデオを見たらしいのです.「でも、ドラゴンボールなのに中に星が入っていないね」といわれて、はっと気が付きました.「アルミコーンの真ん中にマジックで書いておけばいいのさっ」

でも、ドラゴンボールって7個だったような気が....