ビデオなiPod.

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新しい、ビデオ対応のiPodが発売になりました.
iPod Photo以来、カラー液晶とメモリがあれば「ビデオ出来るやん」と言われ続けて、やっと登場です.
しかし、このビデオ再生というものは、私はどうもしっくりきません.いったい、いつ使うんだろうか、と思うわけです.

電車のなかで、片手は吊革につかまって、片手でiPodを顔の前にかざして、ビデオを見る.ただ黙って小さな画面を見つめている.なんかへんですよね.

東京出張の帰りに、新幹線の中、ヒマでしょうがないのでiPodを顔の前にかざして、映画でも見る.手と目が疲れて、何時間も見てられないです、きっと.

ミュージックビデオというものに縁がないので私にはわからないのですが、そういうものが好きな方には、絶好のデバイスなのかもしれません.でも、何かで誰かが言っていましたが、気に入った曲は100回でも200回でも聴けるけれど、いくら気に入っているからといって、ビデオを100回も見れるものだろうか.

ビデオ再生で私が唯一使えそうだと思うのは、車の中です.長距離ドライブで子供をだまらせるにはビデオが一番です.iPodにいくつかDVDをコピーしておいて、リクエストに応じて車のディスプレイにビデオを映す.でもこれも、今は車載用のDVDプレーヤで見せているのを、無理やりiPodに置き換えただけです.

Windows CEもPalmも、最終的には動画再生機能に行き着いたわけですが、iPodの場合も、ユーザニーズから発生した機能アップと言うよりは、「そろそろやることもなくなってきたし、ハードがそろっているからいっちょう入れとくか」みたいな感じで機能追加しているような気がします.
私もよく私のお客さんに言われます.「そんな機能アップはどーでもええから、もっと小さくて安くならんのか」.
しかし、私は心の中でこう反論します.「いや、機能を削っても、価格もサイズも削れんから、競争上しょうがなく機能アップをしているんです」.

今回は新機種追加ではなく、機種切換でした.注目すべきは、新機種になって機能アップしたのに、大幅な価格アップにはなっていないということ(iPod Photoの時は大幅に価格アップしました).逆に言えば、原価が上がっているのに売値は上がっていないのだから、Appleは、nanoに続いて、またしても厳しい選択をしたということです.
この市場、本当に大激戦ですね.Appleはもう、自分で自分を食ってシェアを確保する状態になっています.私はこういうキビシイ世界では仕事したくないです.