音楽の理解.

人間の脳みそは、産まれた時にはあまり多くの機能を持っていないそうです.産まれてから目や耳、肌などから様々な刺激を与えられて、その刺激を学習することで、物理現象を認識するための機能ブロック(神経のつながり)が、脳の中に形成されていくのだそうです.ですから、同じ音を聞いても、人によって反応する脳の部位が微妙に違っていたりするようです.

で、音楽ですが、我が家の3才の子供が「ふたりはプリキュア」というアニメの歌を歌っていたのです.週に1回見るだけなのに、よくもまあ記憶できたものだと感心します.なにしろ、歌詞が日本語になっていないのです.自分が耳で感じた音をそのまま発声しているようです.ですから、時々日本語も入るのですが、ほとんどは日本語に無い発音をしています.

でも、音楽にはなっているんですよね.リズムはあっているし、音程もそこそこあっている.

そこで思ったのですが、音楽っていったい何ものなんだろうか.言葉もろくに話せない子供が、歌って踊れるのが現実です.この子の脳みそは、いったいどんな状態でこの歌を認識しているんでしょうか.

みなさんだったら、アニメの主題歌を聴く時にはどうしますか?.私だったら、画面の下に出る歌詞の文字を追いながら曲を聴きます.もうすでに、論理的な文章の認識機能が働いてしまうんですよね.では、文字の読めないうちの子は、何をとらえようとしてこの曲を聴いているんでしょうか.テレビを見ながら聞いているので、画像と音だけをリンクさせているのかもしれません.私は先に歌詞の意味がわかってしまいますので、ここらへん非常に考えづらいのですが、純粋に、音と映像だけを楽しんでいるのか.しかし、歌詞の意味を手がかりにしないで、歌一曲を記憶するなんて出来るんでしょうか.子供にとっては、歌詞が日本語かロシア語かなんて関係ないのかも.

うちの子の歌では、歌詞の無い部分はバックコーラスの旋律を歌っていました.バックコーラスは和音ですから、和音の中から主旋律を抽出することが出来ているのです.だいたい誰でも出来ますよね.でも、和音の中から主旋律を抽出するのって、どういう理屈でやるのか.たとえばコンピュータにやらせようと思ったら、多分難しいと思います(簡単なのかな).
バンドの演奏なんかでも、どの楽器が旋律を弾いているかなんて、聴けばすぐわかります.でも「なんでそれが主旋律なの?」って聞かれても回答に困ります.

では、どんな音でも音楽として認識できるのでしょうか.でも、例えば全くランダムな音を流して、「さあこの状態で主旋律はどれでしょうか」なんて言われても、回答できませんよね.無秩序ではダメなんですね.
ということは、音楽を音楽たらしめている決まりがあることになります.そして、その決まりに従って私たちの脳みそも音楽を認識している.そしてその決まりは、言葉もろくに話せない3歳児でも理解できる、ということになります.

わけのわからん話になりましたが、音楽って簡単なのか、難しいのか、どっちなんでしょう.