雑草のように咲く花.

私は姫路に来てからちょっとビックリしたことがあります.それは、雑草のようにそこかしこで、いろんな花が咲いているということです.誰かが植えていたり、花壇で咲いていたりというわけではないのです.本当にいたる場所でスキあらば咲いているという感じです.

ちょうど今の時期に咲く花があります.今日その名前がやっとわかりました.名前はヒナゲシといいます.ヒナゲシというと、外国の高級な花のように思っていたのですが、日本語では雛罌粟.ケシの実のなる、あの草の仲間だそうです.ヒナゲシは観賞用でいろんな種類があるようですが、私のうちの近辺で自生しているのは、オレンジ色の花で、高さが20〜50cmくらいのやつですね.細い茎でヒョロヒョロッと伸びた先に大きな花がついているので、風で倒れそうに見えます.本当にそこらへん中で咲いています.田んぼのあぜ道や、河原、アスファルトのつなぎ目から咲くやつもありますし、道路の街路樹のあいだにもたくさん咲いています.

それから、春に咲くのが、菜の花もどき.なんで「もどき」なのかというと、あれが本物の菜の花だったら、わざわざ菜の花を栽培している人がかわいそうになるくらい大量に群生しているから、私が勝手に「もどき」と呼んでいます.主に造成していない河原に咲きます.河原が黄色に埋め尽くされるくらい咲きます.姫路の東の市川でも咲きますし、西の赤穂市の千種川でも咲いているので、多分このあたりの地区の河原ならどこでも咲くんだと思います.

あと、彼岸花.これも田んぼのあぜ道や、新幹線の高架下や、JRの線路の敷石のすき間なんかにも咲きます.ドバッと咲いて一気に枯れるので、見頃は短いですが、大量に咲くのできれいです.

秋にはコスモスも咲きますね.隣の加古川市では、休耕田を使って、本物のコスモス畑を作っていて、これは本当に見ものです.一面コスモスだらけです.で、そこだけではなく、たとえば私の通勤路の脇の河原でも、パラパラとコスモスが咲きます.コスモスは、いろんな色が咲きますね.ピンクや紫や、オレンジ色だったりします.

ホウセンカも咲きます.これは新幹線のガード下に大きなコロニーがあって、直径5mくらいでボバッと盛り上がって咲いています.普通の赤色のと、白いのと、花びらの中で赤と白がまだらになっているのと3種類があります.

こうしてみると、姫路という所は、人間が開拓する前は、多分、草花がたくさん咲く草原のような所だったのではないかと思います.それに対して私の生まれ育った名古屋の新興住宅地は、自然の花といえばセイタカアワダチソウくらいしか咲きません.きっと、花の少ない森だったのか、あるいは、住宅地を造成するときにどっかの山の土を持ってきて、草花が咲いていた地層を埋め尽くしてしまったのか.

何にしても、雑草レベルの花を愛でることが出来るというのは、ちょっと得した気分ですね.