オオゴトですな.

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アメリカのサブプライムローン問題をきっかけにした金融市場の大混乱というのは、聞くところによると100年に1度あるかないかというような規模らしいですな.そんなこといわれても、100年前から生きているわけじゃないし、100年前の経済活動が今とどれくらい違っているかもわからないし、全然ピンときませんが、ニュースで見た証券会社のおじさんは「今までの経験則がまったく役に立たない」と嘆いていましたので、きっとオオゴトなんでしょう.

私にとってもっとオオゴトだったのは、「九十九電機が民事再生法適用を申請」というニュース.九十九電機といえば、私が初めてパソコンを買った、え〜っと、23年前ですか、そのときすでに名古屋の秋葉原といわれていた大須商店街にあったと思います.パソコンのように動きの速い市場で、古くからのお店を続けていくのは並大抵のことではないと思います.バブルの波にも遅れずに乗って店舗を拡大し、なおかつバブル崩壊にも耐えて、インターネットの普及と「価格.com」の出現による、日本全国を舞台にした価格競争にもついて行っているように見えたのですが、無理をしてたんですねぇ.まあ、お店は続けるようですが、今後どうなっていくのか.他人事なのでどうなってもいいのですけど、ちょっと昔から知っているお店が消えるのは寂しい気がします(それだけなんですけどね).

さらに、関係ない方にはまったく関係ないのですが、私としてはちょっと驚いたニュースもありました.何とiPhoneでワンセグが見られるようになるそうです.拡張性の全く無いiPhoneでどうやったらそんなことが出来るのかというと、ワンセグチューナを外に置いて、それとiPhoneをWi-Fiで結ぶことで、ワンセグ放送をiPhone上に転送すると、そういう仕掛けのようです.しかも、そのワンセグチューナにはiPhone用の外付けバッテリーとしての機能も搭載されており、バッテリーの持ちが悪いという点も併せて解消することが出来るらしい.そしてさらに、iPhoneで絵文字も使えるようになるらしい.ふ〜ん.

私は携帯電話を使ってまでテレビが見たいとは思わないし、絵文字というものも使ったこともないので、今回の発表については特にありがたいとも思わないのですが、すごいと思ったのは、孫正義さんが「ガラパゴスなどとも言われるが、Appleに一生懸命伝えた」と言っていること.たしかにiPhoneに似せてはいるものの、微妙にズレたそのデザインが、出来の悪い中国製コピー商品を思わせるようなワンセグチューナーと、「[E:coldsweats01]」こんなマークに代表される、Appleのデザインポリシーとはおおよそかけ離れた絵文字というものをiPhoneで使うことについて、Appleと(おそらくスティーブジョブズと)交渉し、了解を取ったことがすごいと思うのです.

ワンセグと絵文字がなければ、日本国内で戦うには非常に苦しいという孫正義さんの考えは非常によくわかります.しかし、Appleがそれを十分理解して、その上で許可を出したということが、何かもっと大きな事を意味しているのではないかという気がします.はっきり言ってしまえば、Appleが思っていたほど日本ではiPhoneが売れてないって事ですかね.で、不細工な形ながら、ワンセグと絵文字を解禁したと.確かにユーザニーズはあると思います.でも、ニーズに応えたからといってすぐに商品を買ってくれるかといえば、そう簡単に事が運ばないのがユーザの常ですからねぇ.私は、そこまでしてAppleが日本でiPhoneを売らなければならないような状態なのかということが、ちょっと心配です(確か先日の決算発表はけっこういい数字だったと思うのですが).