CT検査.

先日、結構な胆石があることがわかって以来、ご飯と味噌と醤油と豆腐と納豆と大根と白菜くらいしか食べていませんのですが、ほんの数日で慣れてしまいました.確か病気が発覚したのがちょうどクリスマスイブの日で、夕食には子供たちは骨付き鶏もも肉を握って、ムシッ、ムシッと嬉しそうに食いちぎっているのを見ながら、私はダシで炊いた大根の煮付けとご飯を食べていました.でもまあ、無意識のうちにでしょうけれど、この食事をすることであの痛みから遠ざかることができると思ったんでしょう、気分的にはなんか嬉しかったですけどね(いや、強がりじゃなくって).そんな食生活を何日か送ってみて、「日本人の食生活は、米と大豆と少しの野菜があれば、そこそこいけてる料理が作れるほど優れている」という結論になりました.だって、納豆も大豆だし、納豆にかける醤油も大豆だし、味噌汁の味噌も大豆だし、豆腐ももちろん大豆だし、あと、根菜類をちょっと煮とけばそれで大体OKですからねぇ.最初はお坊さんが考えたのかなぁ、まあ、大したもんです.こんな時にフランス人とか中国人とかは何食べるんでしょうね.


ところで、きょうは先日予約をしていましたCT検査に行ってきました.造影剤を入れて撮影をして、胆石の様子をより詳細に調べるためです.前に尿路結石を起こしたときにMRIは受けたことがあったのですが、CTは初めてなので、ちょっと期待しながら病院の受付で待っていました.


CT室に入って機械を見ていると、MRIよりは開放的です.MRIは筒状の細い穴の中に体ごと入っていくっていう感じですが、CTはドーナツ型の機械の真ん中の穴を通るだけっていう感じです.MRIに比べると、明らかに閉塞感がないです.服を着替えて、ベッド(でも幅は30cmくらい)に横になって、「腕を上に上げておいてくださいね」って言われて、「じゃあ撮りますから」って、「造影剤は入れないんですか?」って聞いたら、「いっぺん撮った後で、造影剤を入れてまた撮り直しますんで」ということで、最初は造影剤なしでドーナツの中を2往復.とちゅう、機械が「はい息を吸って〜」とか、「はい楽にして〜」とか言うので、それにあわせているだけで撮影終了.


で、いよいよ造影剤.なんか造影剤っていうより、デカイ注射.しかも文字通り「ウマにでもするほど太い」のです.それを、左腕の近所に設置してあるフリーアームみたいな機械にセットしています.看護婦さんが「造影剤の点滴をしながらCTしたことはありますか?」って聞くので、「MRIはしたことありますけど、そのときは点滴じゃなくて注射でした」って言うと、「MRIのとは造影剤が違うんですよね」ということ.「造影剤が入った瞬間に、ちょっとお酒を飲んだような感じになりますからね.でも酔っぱらうわけじゃないですし、すぐに元に戻りますから」だそうです.説明の後で、針を腕に刺して、その針と太い注射器をチューブで連結して準備完了、のようです.


「はい撮りま〜す」と言って先生が出て行くと、機械が動く音がして、機械の声で「はい息を吸って〜」と始まるので、さっきやった通り言われるがまま.そういえば確かに、ノドの奥が熱くなるような、お酒を飲んだような感覚があります.あんなに太い注射器を「点滴」するんだから、30分くらいはかかるのかと思ったら、やっぱり2往復で終わってしまった.アレッ?っと思って左腕を見たら、あの太い注射器のピストンは、しっかり根本まで押し込まれていました.いったいどんだけのスピードで「点滴」したんだ.


撮影が終わって、機械をよく見てみると、「東芝」って書いてあります.東芝の医療機器ってあんまり聞かないよなぁ、と思いつつ、先生に「あのドーナツの中で、撮影機械が回ってるんですよねぇ」って話を振ったら、先生の目が「キラッ!」と光って、「そーなんですよ.あの中で回っている機械の重さ知ってますか?.バイク2台分くらいあるんですよ.それがね、0.5秒で1周するんですよ.すごいスピードでしょう.だからね、この機械の下のコンクリートには、ものすごく大きなアンカーが埋め込まれていてね、それを見ただけでもこの機械がどんだけ重たいかってよくわかりますよ」と、すごく嬉しいそうにCTの機械について話してくれました.


「最後4回目のの撮影、ちょっと長めだったでしょう?.あれね14秒かかっているんですよ.でもね、この機械10年前に入れた古いのだから時間がかかるんだけど、最新式だとね2秒で終わっちゃうんですよ」「へー、すごい高速化ですねぇ.そんだけ機械が速く回転するんですか?」「いやいや、機械の回転は0.5秒が最高です.最新式も1周は0.5秒ですよ.でも、ベッドの方の速度が速いんですよ」「へ〜、そうなんですか.じゃあ、息を止める時間も短くて済みますねぇ」「それだけじゃないんです.息が止められない方もいらっしゃるんでね、そういう方にはこのCTではちゃんとした映像はとれないんですよ.もちろん撮ることはできるんですけどね、息を止めないと内臓が動くでしょ.動いちゃうと写真と同じでブレちゃって鮮明な画像が撮れないんですよね.画像が鮮明じゃないと、先生の診断もしにくくなりますからねぇ」「じゃあ、お年寄りなんかには最新式の方がいいわけですね」「そう、あとは、意思の疎通のできない方」「というと?」「病院なんでね、意識の無い患者さんとかも撮影しなきゃならないんですけれど、息止めてもらえないでしょ」「あ〜、なるほどねぇ.僕らみたいな軽い症状のものにはなんてこと無いけれど、本当に精密な検査を必要としている重病の患者さんほど最新式の機械の方がいいんですね」「そういうことです」


たぶん、CTの先生は、メカ好きなんだろうなぁ.いっつも、ものすごいご老人とか、時には意識の無い患者さんとか、そんな人ばかり撮っているから、普段は話すことではなくても、私みたいに機械好きの人間から話を振られると、思わずしゃべってしまったんだろうなぁ.ということで、撮影は無事終了.後は結果を待つのですが、それが1時間以上かかるって、まあホントに結構旧式なのかもしれない.で、ちょっとCTのことが気になったので、病院の玄関を出たところで、iPhoneでCTについて調べてみると、これがまたちょっと意外なことがわかりました.


CTスキャナっていうのは、最初に実用化したのはEMIなんですね.EMIってレコード会社のEMIです.「Electric and Musical Industries Ltd」の略称.で、当時ビートルズが所属していたのがEMIで、そこから得た莫大な利益をCTスキャナの開発に突っ込んだようです.なんで、CTは「ビートルズによる最も偉大な遺産」とか言われているらしいです.で、日本にCTを導入するにあたって、EMIと提携関係にあったのが東芝EMI.そんなつながりで、日本では東芝がCTを導入して、それで東芝のCTスキャナがこの病院にあったと.そういう流れのようですな.なんだか世の中変なところでつながってますねぇ.


そんなこんなで時間を潰して、CTの結果を見せてもらうと、胆嚢の中にしっかりと大きな胆石がありました.見たところ直径2cmくらいか.しかも、その近所にもう1つ、小さめの胆石も発見.こっちは直径1cmくらい.胆嚢自体の炎症はほとんど無いので、ガンとかの恐れはないそうです.まあ、どっちにしても胆石ごと胆嚢は摘出をしなければならない.腹は切らずに、穴をいくつかあけて、そこから棒みたいな器具を突っ込んで、腹の中でゴニョゴニョやって胆嚢を引っ張り出すという術式がとられるそうです.入院期間は普通で1週間くらい、若い人だと3日くらいで退院かなって、「私は若いんですか、それとも年寄りなんですか?」って聞いたら、「胆石の患者さんとしてはヒジョーに若い部類です」だって.せっかく手術に入院と、今まで経験をしたことがなかったことを体験できると、ちょっとわくわくしていたんですけれど、3日じゃちょっとした短期出張と同じじゃねぇか、と、ちょっとだけがっかりしました.手術が終わったら、記念に胆石をもらって飾っておこうかな.


ま、年明け早々、病院各方面のスタッフの方が通常勤務に戻り次第、手術をするということになりました.