これはある種の事件と言えるのではないでしょうか.

これだけ巨大な音楽市場になってしまったiTunesStoreで、いままでガンとして販売されてこなかったのが、「ソニーミュージック」所属のアーティストの曲です.言うまでもなく、親会社のソニーはiPodのライバルのウオークマンを作っていますので、自前で抱えているドル箱の歌手を、敵であるAppleの販売網に提供するなんて考えられないことでした.それがここ数日「iTunesStoreでソニーの曲が解禁になるらしい」というウワサが広まっていて、ついにさっき確認したら販売開始していました.すごーいことですねぇ.


今どきの人たちは西野カナとか、いきものがかりとか、そんなアーティストに注目するんでしょうけれど、私はなんといっても渡辺美里です.まあ、ほとんどCDで持っているので、今さらどうこういうものではないんですけれどね(もういいおばさんだし).私と同い年で、私が大学受験に失敗してうちひしがれているときに、華々しくデビューをして、いつも行っていた駅前の本屋の隣のレコード屋にデカデカとポスターが貼ってあって、とにかく自分とは対照的に、ものすごく輝いて見えました.

目覚まし代わりにかけていたラジオのコマーシャルから(確か航空会社だった)TeenAgeWalkが流れるのを毎日聞きながら、自分とあまりにも対照的な彼女の活躍を非常にうらやましくも思い、「もしもいつか彼女と対面をすることがあったときに、恥ずかしくなく、自信を持って、堂々と彼女の前に立てるような自分になろう」と、毎日毎日自分に言い聞かせながら、その頃から組み込みマイコンの世界にズブズブと没頭していったのでした(浪人生なのにね).


今になって突然ソニーの曲をiTunesStoreで販売するって、裏で何があったんでしょうね.まさかソニーがウオークマンをあきらめるというわけでもないでしょうし、まあ、数日中には裏事情もわかってくるでしょう.楽しみです.