ホットエンドのノズルの交換.

私の購入したAnycubic i3 Megaという3Dプリンターは、いわゆる「オープンソース」というものの改良版なので、世の中に大量に出回っている3Dプリンターの汎用部品の多くを流用して使うことが出来ます.標準で使っているノズルは0.4mmのモノなのですが、径が小さくなればなるほど仕上がりがきれいになるらしいので、もっと小さな径のノズルを使ってみたいと思っていました.また、ノズルの形状にも種類があるようで、もっとシュッとした形状のものを使ってみたかったのです.PETGフィラメントを使うようになってから、ノズルの先端の平らな部分がフィラメントを巻き上げているような気がしていたので、aliexpressで適当に見つくろって注文しました.送料込みで¥300ほどで、トラッキング無しでいつ着くかもわからないんですけど、1ヶ月かからずに到着しました.


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こういう形状のノズルを試してみました.どのサイズが一番いいのかわからないので、お試しで0.2mmから0.5mmのノズルがいくつか入っているものを購入しました.


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0.2mmの先端を拡大すると、穴が本当に小さいですね.


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標準で使っている0.4mmのノズルはこんな形状です.


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Anycubic i3 Megaは、最初からいくつかの部品の予備が入っています.それを分解して、中の構造を確認します.


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ノズルを比較します.左側がステンレスのネジにぴったり当たるまでねじ込む必要がありますが、右側のノズルが太くなっている位置が違うので、ノズルだけ交換しただけでは根元まできちんとねじ込めません.アルミのヒートブロックの位置もずらす必要があります.また、ノズル自体の全長も違っているので、原点位置もずれることになります.それくらいの予習をして作業に取りかかりました.


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ホットエンドの分解を開始します.


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ところがどっこい、緩むはずのところが緩まなかったり、回っちゃいけないところが回ったりで、予習したときの思惑とはぜんぜん違う方向に進んでしまい、けっきょくホットエンド全分解、全交換になってしまいました.


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はい、全部新品と交換しました.予備パーツ付きで本当に良かった.


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外した部品.パイプの中がベタベタになっていて、甘い匂いからするにPLA樹脂の焦げたやつって感じです.ヒートシンクにも白く何かがこびりついていて、煙なのか、気化した樹脂が付着したのか.どちらにしても、吸い込むと体に悪そうな感じです.


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初めて見た0.2mmの樹脂.メチャクチャ細いです.


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今まで通りの方法でビルドプレートの高さを調整したら、さっそく印刷開始.


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でもそう簡単にいくわけもなく、これは1層目は定着しているけど、1層目と2層目の間が剥離しています.実はこのあと、調整が困難を極めて心が折れそうになりました.ほんとうに0.4mmと0.2mmではきちんと印刷できるようになるまでの難易度がぜんぜん違いますね.


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3Dプリンターを買ったときに貼ったフラットフォームシートは、一度も交換をしていません.表面に細かい傷がついて白っぽくなってきているのですが、0.4mmでは何の問題もないのに、0.2mmでは部分的に樹脂が剥離したりするので、新品に張り直しました.


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新品同様のピカピカに.まあ、新品なんですけど.


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どうも、今までの紙を使った高さ合わせがうまくいってないような気がしたので、高さ調整用のパターンを自分で作って、印刷しながらビルドプレートの高さを合わせました.これをやって気がついたんですけど、ビルドプレートの真ん中あたりがちょっとへこんでいます.0.2mmのノズルを使う場合、ビルドプレートの縁で高さ合わせをすると、中央付近で樹脂が定着しません.なので、縁を使って平面出しをしたあとで、中央で高さを微調整をすることで、何とか正常に印刷できるようになりました.


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先日のグリップエンドを0.2mmでやってみました.上の一つが0.4mmで、下の二つが0.2mmです.


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0.4mmの時も文字を入れてみようとして出来なかったんですけど、0.2mmは出来ました.ただ、左側の文字をよく見ると、「o」とか「e」の真ん中が取れてしまっています.

0.4mmだと3層で壁の厚さが1.2mmだけど、0.2mmなら0.6mmですから、0.4mmでは出来ないような形状も作れるようになりますね.ただ調整がとてもシビアです.0.4mmであればけっこう適当に合わせても印刷できますけど、0.2mmではノズルとビルドプレートの距離が0.2mmだと、もう定着は望めません.0mmだとぶつかるし、0.2mmでは定着しない.ビルドプレートも全くの平面ではないし、まあ、素人が使うには限界の細さなのかなと思います.あと、毛細管現象ってやつなんでしょうか、ヘッドの移動中に垂れる樹脂の量がとても減っていると思います.仕上がりがきれいになるのは、そのおかげもあるんじゃないかな.あまり大きなものを作らないのであれば、0.2mmを常用してもいいかもしれない.