真のダイレクトエクストルーダを目指す その7.

前回、エクストルーダを固定するためのネジが8本ともまったく締め込まれていない状態で使っていたことが判明しました.もうエクストルーダを上下に揺するとガチャガチャ音がするくらい.よくこんなの気がつかなかったなあと感心するレベルです.その日はあきらめて、後日あらためて全部バラしてからネジを締め直して、また全部組み立てました.そしてすぐに、次の改良に取りかかります.

私はまだ「印刷開始したらあとはお任せ」出来るほど、自分の設定を信頼していませんので、印刷中に様子を観察するための照明は必需品と考えています.ただ、エクストルーダのデザインをいくつも考えているうちに、照明に必要なスペースもバカにならないと感じるようになりました.ジャマとは言いませんが、出来ればもう少しこぢんまりとしてもらえないでしょうか、って感じです.現状では安物のLEDテープを使っているのですが、これはLED3個で1ユニットで、最小サイズが8×50mmです.このサイズをもっと小さくするために、3D プリンター用の12V駆動のLED照明ユニットを作りたいと思います.


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用意したものは、秋月電子で買ったLEDと、厚さが0.3mmのガラエポ基板と、1/6wの抵抗.これでLED照明ユニットを作ります.下にあるのがいままで使っていたLEDテープです.これより圧倒的に小型化したいです.


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途中経過も何もありませんが、完成しました.回路は、12V駆動でLED3個と抵抗を直列つなぎするだけなので、LEDの順方向電圧がわかれば、あとは電流値から抵抗値を計算して、手持ちの中で一番近い抵抗を選ぶだけです.一番苦労したのは、小型化するための部品配置と、それを自分で半田付けできるかどうかの検証ですね.出来上がりサイズは10×15mmです.


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この照明ユニットにあわせて部品を作り直します.


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ジャマだとは思っていなかったんですが、照明を小型化してみると、見える範囲が格段に広がってとても見やすく、いままでの照明がでかくてジャマだったことがよくわかります.特に、いままではジャマな照明の隙間から片目で見ていたんだと思うのですが、ジャマ者がいなくなったおかげで両目で見ることが出来るようになり、印刷表面の状態がとてもわかりやすくなりましたし、長く観察していると右目だけ痛くなるという症状も無くなりました.


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ただまあ、いままでと比べると光が異常に黄色いです.なんでかというと、白色のLEDよりも電球色のLEDのほうが安かったからです.なんかものすごい違和感がありますけど、そのうち慣れるんじゃなかな.

次は、ビルドプレートとノズルの隙間はしょっちゅうチェックするものの、いったいビルドプレートは本当にX軸Y軸と平行になってるんだろうかという不安を解消するために、「ダイヤルゲージ」を使えるようにします.
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ダイヤルゲージはこういうのです.下に出ている棒を押すとメーターが回ります.1mm押すと針が1周するので、細かな目盛りまで見ると1/100mmまでわかりますが、まあ安物なのでそこまでの精度は無いでしょうね.それでもプリンター用紙のこすれ具合で0.1mmを確認するよりは精度が期待できます.


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裏蓋にあわせてこんな部品を印刷しました.


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裏蓋と交換して、


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冷却ファンの裏に、


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こう取り付けます.

ダイヤルゲージを取り付けてわかったことは、安物のダイヤルゲージでも、そこそこの繰り返し精度はあるということ.ビルドプレートの上を1周して元の位置に戻ってくると、だいたい3/100mm位の精度があることがわかりました.また、いままではクリアランス調整の時には手でエクストルーダを動かしていたのですが、手で触るだけで0.1mm位は簡単に狂ってしまうこともわかりました.調整時には、面倒でもJOG運転でエクストルーダを移動しないとダメですね.そして、なんだか感覚的に、ビルドプレートの真ん中あたりが凹んでいて、四隅に行くほど盛り上がっていると思っていたんですけど、実際はほぼ平坦で、ただ左の手前側がちょっと上に曲がっているということもわかりました.平行出しをした上でなお、ビルドプレートへの定着しやすさに大きなムラがあるのがわかり、それではということでラッカー薄め液を買ってきてビルドプレートに貼ってあるシートの表面を掃除したところ、メチャクチャ綺麗に定着するようになりました.そして、平行出しが出来てしまえば、あとは四隅の高さ調整ネジを同じだけ回すことで、自信を持って高さだけ変更することが出来るようになります.

やっぱり不確定要素が多いとなんだかよくわからないことだらけになってしまいますね.そのうちの一つでも定量的に測れるようにすれば、それをきっかけに大きな改善が出来る場合もあるわけです.今回買ったダイヤルゲージはamazonで¥2000くらいでした.いつも買っている中国製の3D プリンターの部品に比べると高価な買い物ですけど、¥2000出すだけの価値はあったんではないかと思います.