真のダイレクトエクストルーダを目指す その8.

ダイレクトエクストルーダを作るためにいろいろとやっていますが、前回、締め忘れていた8本のネジを締め直してから、「あれっ?」って思うくらい印刷品質が安定するようになりました.これくらいの印刷が出来れば、品質としてはもういいんじゃないかって感じになっています.もともと、TPUを印刷するためにダイレクトもどきにしていたエクストルーダ部分があまりにも重たかったので、それを少しでも軽くしたいというのが、ダイレクトエクストルーダを作り始めたきっかけでした.

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以前はこんな状態でした.標準のホットエンドの上に標準のモーターをのせただけで重量が600g以上もあり、X軸が細かい往復をすると、それはもう机だけでなく床まで振動するほどでした.


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現状での重さは300g程度と、以前の半分ほどになっています.

今回は、現状での印刷品質がどうなっているのか確認するために、ベンチマークでよく使われている「ボート(これ、正式名称は何ていうんだろうか)」を印刷して、以前に印刷したものと比較してみました.
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左側が現状のエクストルーダで印刷したもので、真ん中が以前のエクストルーダで、両方とも同じPETGフィラメントです.右側の青いのは、以前のエクストルーダでTPUフィラメントを印刷したものです.印刷品質の確認用なので、印刷が終わってから糸くずの1つも除去していません.ビルドプレートからベリッと剥がしたままの状態です.よく見ると、印刷完了時の最後の糸が、煙突の同じところから引っ張られているのがわかります.


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以前のエクストルーダで印刷したもの.


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現状のエクストルーダで印刷したもの.


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左が現状で、右が以前.


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以前.


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現状.

なんかもう、印刷の品質としては十分ではないかと思います.これであとは、印刷範囲をオリジナルの210x210mmに近づけることと、冷却ファンをホットエンド用と印刷物用の2つに分けることくらいですかね.

印刷範囲に関しては、現状ではエクストルーダ部分の横幅を小さくするために、モーターを裏に入れるような形を取っているため、ノズルのY軸位置が25mmほど手前に出てしまっています.つまり、Y軸方向の印刷範囲が25mm狭くなっています.市販のいろんな3D プリンターを見てみると、印刷範囲がチョロッと大きくなるだけで本体価格がアップするようなので、この25mmはとても貴重だと思います.出来るだけ取り戻したいです.

冷却ファンについては、現状ではホットエンドを冷却するファンの風を二股に分けて、印刷物のほうにも吹き出るようにして使っていて何の問題もないのですが、制御側では印刷物用のファンを独立して制御できるようになっているので、その機能を生き返らせるためにファンを二つに戻そうと思っています.

まあ、あとはこの2点が解決できれば完成ってことでいいんじゃないでしょうか.長かったけど、やっとゴールが目視できる範囲まで近づいてきた感じがします.