「神戸牛」と「名古屋コーチン」

私は漠然と、「神戸牛」は、神戸近郊で生まれ育った牛のことで、「名古屋コーチン」も、名古屋近郊で育ったんだろうな、と思っていました.ところが、面白いものを発見しました.

何年か前に、車で北海道旅行をしたことがあったのですが、北海道にはたくさんの牧場があります.馬の牧場や、牛の牧場、熊の牧場もありました.その中に、「神戸牛牧場」と看板を上げている牧場があったのです.

「北海道で神戸牛とはなんぞや?」

北海道で育った牛なら、「北海道牛」になるんではないかと思い、調べてみました.

牛は、生まれてから、精肉処理されるまでに、飼育される場所が変わる場合があります.その年齢に一番適した環境で飼育しようということだと思います.経費削減という意味もあるかもしれません.

そこで、牛は、生まれてから精肉処理されるまでの間で、一番長く生活した場所の名前を使うことになっているようです.ですから、若いうちは北海道で育ち、ある程度大きくなってから、神戸近郊に引っ越しをして、「神戸牛」になる牛もいるということです.

必ずしも、神戸生粋の「神戸牛」ばかりでは無いということです.

先日は、「但馬牛神戸肉」という、謎の表示の牛肉がありました.但馬で育って、神戸で精肉処理されたということなんでしょうか.よくわかりません.

一方「名古屋コーチン」.これは、鶏の品種の名前ですから、どこで育っても「名古屋コーチン」は「名古屋コーチン」です.九州産の「名古屋コーチン」というのも全然あり、ということです.「東京軍鶏」というのも同じです.どこで育っても「東京軍鶏」です.

最近は、食品の産地表示が厳しくなってきていますが、まだまだ、気を付けていないと、自分の考えていたのとは全然違う経歴を持ったお肉を買っている、ということがあるのかもしれません.

販売側の正確な情報開示ももちろん必要ですが、買う側もある程度自分の責任で判断をして、販売コーナーを選ぶとか、お店を選ぶとかの対応が必要なんだと思います.