「オオカミと7匹の子ヤギ」.

誰でも知っているこの話ですが、嫁さんが子供に読み聞かせているのを聞いていて、「お前ちょっと待てよ」ということに気が付きました.

話の筋はみなさんご存じの通りですが、最後の場面、寝ているオオカミのお腹から子ヤギを救い出したお母さんヤギは、オオカミのお腹の中に石を詰め込みます.目が覚めたオオカミはのどが渇いて、池(または川または井戸)の水を飲もうとして、お腹の石の重みで水に落ちて死んでしまいます.めでたしめでたし、って、どこがめでたいんじゃ〜!

私の子供のころは、「生態系」という言葉も一般的ではなく、肉食動物=どう猛な捕食者=悪い動物、草食動物=食われる身=可哀想な動物、という図式が成り立っていました.しかし現在では、肉食動物が悪い動物であるという認識はほとんどないと思います.ライオンだって象やキリンには道をあけるそうですし、体力が落ちれば、他の肉食動物に食われてしまうんですから.

「3匹の子豚」だってそうですよね.悪いオオカミが3匹の子豚を食べに来る.でも私たち人間だって、ほぼ毎日、豚の肉を食っているんです.

正直爺さんがいい思いをして、意地悪爺さんがしっぺ返しを食らうとか、桃太郎が鬼退治をするとか、そういうのはいいと思うのですが、オオカミやキツネ=悪者というお話しは、ちょっとどうかなと思います.

「オオカミって悪い動物なの?」と子供に聞かれて、返事に困りました.生態系の話なんかしてもわかるわけもなく、かといって「そうだよ、オオカミは悪〜い動物なんだよ」というわけにもいかず….

私の考えすぎでしょうか.