「煙突効果」について.

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Cubeの冷却(放熱)で、よく耳にする言葉が「煙突効果」.私は今日まで、まるっきり勘違いをしていました.

暖かい空気が、まるで煙突から立ちのぼるように上がっていき、かわりに下からは冷たい空気が入ってくる.これを「煙突効果」と呼ぶ、そう思っていました.それだけだと合っているような気がしますが、根本が間違っていた.

そもそも煙突とは、煙が1階から出ると、あたりが煙たくなって困るので、わざわざ高い煙突を立てて、煙を上空に追いやっているんだと思っていました.でも、これは間違いのようです.

煙突が煙突の形をしているのは、効果的に「煙突効果」を得るために然るべき形なわけであって、ただ、汚い空気を上空に追いやっているだけではないんですね.初めて知りました.

煙突の形が出来たころから使われている技術ですから、さあ何年になるんでしょうか、何百年か、もっと前から使われていた、古典的で根本的な基本技術だったんですね.

そうなってくると、日常の生活にも影響が出てくる点が多々あります.

例えば、最近、薪ストーブなんて流行っていますが、これには煙突が付いています.ですが、家屋の密閉性が高い現在では、薪ストーブの煙突効果だけでは、うまく排気が出来ずに、家の中が煙たくなってしまうことがあるそうです.そんな時に、煙たいからといって換気扇をつけると室内が負圧になってかえって逆効果.わざと外気の取り入れ口をつけるのが正解なんだそうです.

それから、高層ビル.これは1つの大きな煙突と考えることが出来ます.ですから、下の階から上の階へ、空気の移動が起こるのです.ビルの設計がまずいと、ドアからすきま風が吹き込んだり、ひどい場合にはドアが開けづらくなったりするそうです.そういえば、高層ビルの玄関は、回転ドアだったり、2重の自動ドアだったりしますが、これも煙突効果の軽減のためでしょうか(どっちかというと、エアコンの省エネ対策か).

人間にも煙突効果があるようで、襟元の空いた服を着ていると、煙突効果で暖かい空気が襟元から逃げるので、襟元をマフラーなどでふさぐと、寒くなくなるとか.

バーベキューの炭火おこしにも煙突効果は使えますし、逆に、火事になった時には、建物の構造によって煙突効果の出方が変わるため、燃えやすかったり燃えにくかったりするそうです.

「煙突効果」なかなか奥が深いです(知らなかったのは私だけか).