SHUREのE3c.

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私がipod shuffleのケ−スを販売していたときに、「E3cは使えませんか?」という質問を頂いたことがあります.
私には何のことだかさっぱりわからなかったので、「すいません.私にはE3cが何のことかわかりません」と回答をしました.
その後も、「SHUREのヘッドホンは使えないのか?」というお問い合わせを何件も頂きました.
「SHUREって、いったい何やねん」と思って調べてみたら、すぐにわかりました.
けっこう有名なヘッドホンのようですね.Appleストアでも売っているし.

このたび機会がありまして、SHUREのE3cを入手しました.
その音について、私の感想を述べたいと思います.
製品の評価というほど大それたことはできません.

まず最初に、私がオーディオのアップグレードをしたときに、「おぉ、音がよくなった」と思うことはほとんどありません.
表現としては、「今まで聞こえなかったものが聞こえるようになった」という感じです(ボキャ貧でもあります).
良い音も聞こえるようになるし、悪い音も聞こえるようになるのです.

今回のE3cも同じでした.
曲の頭でベースが「ボンッ」と鳴った瞬間に、スネアが共振して、裏に張ってあるジャバラ(なんていう名前か知らない)と当たって音が出ていたり、ライブハウスで食事をしている人の食器の当たる音が聞こえたり、バイオリンの弦をこすり始める時の音が、すごくリアルになったり、そういう音が聞こえるようになりました.
それに合わせて、「ジャーン」と鳴っているシンバルの音が実は割れてしまっていたり、ベースの音がレベルオーバーになっていたり、「この曲はやかましくて、ちょっと聞くにたえんなぁ」と感じる曲も出てきました.
良い曲はより良く、悪い曲はより悪く聞こえてしまいます.

どうもやかましい曲が多いと思ったので、自宅のオーディオセットで、CDをかけて聞いてみました.
iPodで聞いた時には、楽器の数が増えるほど、音が平面的になり、やかましさが増加していましたが、オーディオセットで聞いた時には、その傾向はありませんでした.
どうもE3cの性能がiPodの能力を超えてしまっているようです.

自宅で腰を据えてじっくり聞くのであれば、良い音のCDだけ選んで聞く、という聞き方も良いと思うのですが、たかが聞き流しのポータブルオーディオで、良い音の曲だけ選択して聞くというのは、ちょっと敷居が高いのかなぁ、と思ったりもします.
しかし、人間とは贅沢なもので、一度、良い音を聞いてしまうと、もう元のヘッドホンに戻ることはできません.
しばらくは、「音が悪い」と思った曲のマイレートを下げる日々が続くのだと思います.