変態.

「東京ミュウミュウ」というアニメをご存じでしょうか.小さい女の子向けで、「セーラームーン」のパクリだということは明らかなのですが、ようするに、中学生の女の子が変身して、悪者を倒すという話です.
うちの子供がたまに見ているのですが、その主人公の女の子が変身する時に、「メタモルフォース」とか叫ぶんです.
「メタモルフォース」って、どっかで聞いたことのある、ちょっと格好いい言葉だなぁと思っておりました.

あるとき、wikipediaのトップページに、セミの羽化の話が出ていました.そこにあったのです、「メタモルフォース」が.

「メタモルフォース」というのは、生物学用語で「変態」のことだそうです.もちろん「変質者」のことではありません.wikipediaによれば、「正常な生育過程において、ごく短い期間に著しく形態を変えること」だそうです.今ひとつピンときませんが、ようするに、昆虫が、幼虫から成虫に急激に姿を変えることを「変態」というのだそうです.「東京ミュウミュウ」では、変身で急に姿が変わるので「メタモルフォース」と叫ぶんですね.

しかし、変身の時には、コスチュームが「メイド服」になり、「ネコ耳」がついて、「シッポ」がはえるという、子供向けなんだか大人向けなんだか、良くわからない「変態」をとげます.

さて、「変態」にも二つあるそうです.「完全変態」と、「不完全変態」.

「完全変態」とは、幼虫が成虫になる時に、いったんサナギになる形態のことだそうです.そこで思い出されるのが、私が子供のころにやっていた「イナズマン」.彼は、変身モノの中ではおそらくただ一つの「完全変態」ではないでしょうか.主人公が、変身する際に、一度「サナギマン」になります.しかし「サナギマン」は弱いので、敵の攻撃にひたすら耐え続けます.そして、耐えきった後で、「イナズマン」に変身します.まさに「完全変態」です.
昆虫では、チョウとかカブトムシなんかが「完全変態」ですね.

一方、「不完全変態」では、幼虫からほぼ直接、成虫になります.昆虫では、セミとかトンボとか、土や水から出てきて、木なんかにつかまった状態で、バリッといきなり成虫が出てきますよね.ですから、世の中の変身モノは、ほとんどが「不完全変態」だということになります.

でも、「セーラームーン」とか、「ふたりはプリキュア」とか、後半では2段階変身していたような気がするけど、あれは「完全変態」に分類されるんだろうか.