キンタマウイルスを踏んだ彼.

私の会社に、いわゆるWinnyの暴露ウイルスに感染して、情報を漏洩してしまった人がいます.
といっても大したことはしていないんですよ、ホントに.

彼のパソコンは当然Windows.バージョンはなんぼか知りませんけどね.彼は、年賀状を作ろうと思って、会社の同じフロアの人の名簿を家に持って帰った.
よくありますよね、会社の同じフロアとか、同じ部とか、同じ課とかで、名簿作るの.だいたい年齢順になっていて、大した情報は載っていない、氏名と、郵便番号、住所、電話番号と、あればパソコンのメールアドレスくらい.主な使用目的は…、やっぱり実質的には、年賀状作成時の参考資料ではないかと思います.

彼はそれを家に持って帰った.その時すでに彼のパソコンが暴露ウイルスに感染していたのか、年賀状を作り終えてから感染したのかはわからないけれど、その名簿がネットに出てしまった.
彼は暴露ウイルスに感染していることにはまったく気がつかず、そのうちにパソコンの動作が遅くなってきたので、Windowsをクリーンインストールしたらしい.これで、暴露ウイルスに感染していた痕跡はなくなっているはずなんですよね.でもなぜかその後、彼のパソコンから名簿が漏れていたことがわかって、問題になりました.

まあ、私からすれば、名簿の個人情報つったって、住所や電話番号なんて一昔前ならみんな電話帳に載せているような情報ですから、大した問題では無かろうと思っていました.

さてそうこうしているうちに月日は過ぎ去り、そういえば最近彼の顔を見ないなぁ、と思っていました.まあ移動が激しい部署ですので、またどっか他の部署に配置転換にでもなったのかなと思って、いろいろ人事関連の文書を調べていったら、彼の意外な最後がわかりました.「2005年10月、退職」でした.

彼には退職しなければならない理由なんてありませんでした.あるとすれば、名簿漏洩問題だけ.漏れたのは大した情報ではなかったのですが、会社の情報を漏らしたという点を会社側から大きく見られて、退職するほか無かったのでしょう.

しかしねぇ、ちょっとネット社会に対する感受性が弱いとか、パソコンの情報にうといとか、パソコンの管理が甘いとか、一昔前であれば、そういうことは「タダの機械音痴のおじさん」扱いされるだけで済んでいたものを、年賀状の名簿が漏れただけで退職ですからねぇ.物騒な世の中ですよねぇ.

Appleが「Macはウイルスは大丈夫」とかいうCMをはじめましたが、本当にそう思いますか?
職を失わないためにも、自己防衛を基本に、情報に対するアンテナを高く.
そして、会社の資料は家に持って帰らない、これにつきます.