懐かしい薬、「フルコート軟膏」.

むかし懐かしい薬を買ってきました.それは「フルコート軟膏」.私が小学生の頃、冬場になって乾燥してくると、唇の周りが荒れて、ヒリヒリしてくるのです.ヒリヒリするから舌でなめ回す.そうするとしばらくは濡れていますからヒリヒリは収まるのですがそれが乾くと、もっとヒリヒリしてきます.そして、しまいには赤く炎症をおこしたようになってしまうのです.

そういうとき我が家では、まず最初に「オロナイン軟膏」を使いました.でもオロナインは何にでも効くけど、何にでもあんまり効かないんですね.で、唇の周りが荒れてヒリヒリするときには、「フルコート軟膏」を使いました.これを塗ると、1日か2日ですっきりとなおってしまうのです.まさしく魔法の薬のような存在でした.毎年冬場になると、1回か2回くらいはお世話になっていた薬です.

さて、自分が大人になると、冬場に乾燥しても、唇がヒリヒリすることはなくなり、フルコートを使うこともなくなりました.ところが最近、自分の子供の手荒れがひどくなってきたのです.親指と人差し指の付け根あたりを中心に、手の甲全体、手首まで、カサカサでザラザラです.うちの嫁にいわせると、「あかぎれ」なんだそうです.私はあかぎれの経験がないのでよくわかりませんが、子供の状態は最近特にひどくなってきて、ついにあかぎれが切れて手の甲から血が出てくるようになりました.ちょっと見ていてかわいそうだなぁ、と思っていたのですが、うちではハンドクリームか、オロナインを塗っていたのです.で、ふと思い出したのが、私が小学生の頃にお世話になったフルコートです.今でも売っているのかなぁ、と思って薬局に行ってきました.

「昔の薬だと思うんですけど、フルコートってありますか?」
「はい、ございます」

ということで、すかさず小箱を持ち出してきてくれました.今でも十分現役の薬のようです.で、箱を見てちょっと驚いたんですが、「合成副腎皮質ホルモン剤」と書かれているのです.それって私がアレルギーの薬として今でも、特に花粉の季節に飲んでいる「セレスタミン」と同じ?.ってことはアレルギーの薬なの?

私の母方の祖父は、田舎で、何でも見ますの町医者をやっていました.その娘として育った私の母.家で、薬包紙で粉薬を包むのを手伝ったりしていたそうです.その母が見よう見まねで覚えた知恵なのか、祖父からのアドバイスがあったのかわかりませんが、唇のヒリヒリにはフルコートと、私の家では決まっていました.それが副腎皮質ホルモンとはちょっと驚きと同時に、本当に唇のヒリヒリに使って良かったのかなぁ、とか思います.まあ、特別に良く効いたのは確かなんですけどね.

あかぎれにフルコートを使っていいものかどうか、今は私が判断しなければなりません.とりあえず数日は使ってみようかということで、毎日寝る前に1回だけ塗るようにと言って、薬を渡しておきました.唇のヒリヒリは1日か2日で明らかな効果がありました.1週間くらい続けてみて効果がなければ使用を中止しようと思っています.でも、一番いいのは、たかがあかぎれなどと言ってないで、皮膚科に相談することですね.