「電脳コイル」面白いデス.

いつも世間様の流行から3歩半くらい後れている私ですが、今日はNHKでやっている「電脳コイル」というアニメの話です.このアニメ面白いです.どんな話かということは、もうネット上で大いに語られていますので、「電脳コイル」で検索を.でも私もちょっとだけ説明.

時は202X年だそうです.今よりちょっとだけ未来の話.今でいうヘッドマウントディスプレイが進化したような、「電脳メガネ」が普及してから数年後だそうです.世界は物理的な現実世界と、それにかぶさるように作られた仮想的な電脳世界が存在します.そして、電脳メガネをかけると、現実世界に電脳世界をオーバーラップして見ることが出来るのです.好きなところに仮想的なディスプレイとキーボードを表示して、インターネットにも簡単にアクセスできる、そんな電脳メガネを使いこなす小学生たちが主人公です.電脳世界には電脳ペットというモノがいます.仮想的に作られたペットで、犬とかネコとかハムスターとか.彼らにもストーリーの中で大きな役割があります.こんな世界で、小学生たちがちょっとした冒険をするというような話です.

キャラクターの中でなんといっても一番好きなのが「サッチー」です.これは、電脳世界が壊れていないか、また、バグっていないか「サーチ」するプログラムが、電脳メガネで視覚化されたモノという設定です.ひょうたん型というか、ボーリングのピンを丸っこくしたような形で、薄ピンク色です.足はなく、地面すれすれを浮きながら移動します.顔の部分には郵便局のマスコットにそっくりの絵が描いてあります.おなかの部分には「キュウちゃん」と呼ばれる、電脳世界修復プログラム(電脳メガネで視覚化されると、バレーボールくらいの球形で空中を飛び回ります)を4つまで格納できて、破壊した空間やちょっとしたバグなんかを見つけると、キュウちゃんからレーザビームのような光線を発射して、空間の修復をしたりバグの駆除をしたりします.

サッチーは花屋さんの隣の郵便局の壁から出動します.人の前に出ると、「ぼくサッチー.よろしくね.」と話しかけながら、その人の持っている電脳アイテムがちょっとでも気にさわると、ビーム攻撃でアイテムを消去しようとします.電脳空間用の落書きスプレーとか、信号を強制的に「青」に切り換える御札(メタタグと呼ばれています)など、「ちょっとお茶目なアイテム」を持ち歩いている小学生からは、目の敵にされています.

サッチーを管轄するのは郵政局なので、縦割り行政の影響で、他の部署が管轄する神社や公園、学校などには入れません.そのため、小学生たちはサッチーに追いかけられると、神社や公園に逃げ込みます.ときどきサッチーの視点の映像が出るのですが、サッチーから神社を見ると、鳥居の中が真っ黒に塗られていて、「管理外ドメイン」という表示がされています(こういうちょっとした部分の作り込みがとっても面白いです).また、一般家庭は「ホームドメイン」ということで、やはりサッチーは入れません.サッチーはビルの壁なんかを突き破ってショートカットすることが可能で、サッチーが現れる前には「郵」の字が壁に表示されます.サッチーは結構単純なヤツで、誰かを追跡中でも、空間のゆがみなんかを見つけるとそちらの修復に気を取られてしまって、追跡を中断してしまいます.

今までで一番面白かったのは、電脳ペットが古い空間(未使用空間がフラグメントを起こしたようなイメージ)から脱出するときに、サッチーに見つかってしまって、サッチーが古い空間をごと電脳ペットを消去しようとするシーン.「古い空間の消去」というのは、「黒い壁が迫ってくる」という表現でした.でも、その壁をよく見ると、「フォーマット中です」という表示が.昔のフロッピーのフォーマット作業を思い出して、ちょっと笑ってしまいました.この作品には、最近のコンピュータの要素がたくさん含まれていますが、昔のパソコンのようなイメージもたくさん含まれています.過去と未来が融合したような感じですね.

アニメとしては、「となりのトトロ」みたいな、ちょっと懐かしい感じの絵です.最新技術である電脳メガネがメインアイテムであるのに、電脳グッズを売っているのは、私が子供のころにあった駄菓子屋のような「電脳駄菓子屋」です.私たちが見て「ああ、懐かしいなぁ」と思えるようなシーンがたくさんあります.電脳空間が壊れると空間に黒い穴が開き「データがありません」という文字がタイル状にたくさん表示されたり、管轄外は「管理外ドメイン」と表示が出たり、コンピュータをちょっと知っている人も「ふふん」と笑える要素もいっぱいです.でも、私の子供達にも人気があるんですよね.大人が見ても子供が見ても面白い作品だと思います.

ということで、放送は土曜日の午後6:30から、NHK教育テレビです.別にNHKの回し者ではないですが、オススメです.