車が壊れました.

え?、車が壊れました.4年乗ったオデッセイ号ではなく、こないだ買った新しい車の方です.先日もblogに書きましたとおり、車に慣れるために鳥取まで行ってきたのですが、非常に快調でした.とっても気持ちよく走れましたし、運転の疲れもほとんど無かったのです.よくできた車です.でも、突然動かなくなってしまいました.

前日までは調子よく動いていたのです.でもその日、エンジンをかけようと思ったのですが、エンジンがかかりません.新しい車は、キーレスエントリー&プッシュスタートで、私としては初めての物理的キーによるアクセスが必要ない車です.クラッチとブレーキを踏んでおいて、エンジンスイッチをプシュッと押せば、スターターがまわってエンジンがかかり、エンジンがかかるとスターターは自動的に止まります.エンジンを切るときは、エンジンスイッチをもう一回押すだけで、普通の車でいうイグニッションOFFの状態になります(アクセサリーもヘッドライトも全部消えます).スターターをまわしてもエンジンがかからないときは、10秒待ってスターターを自動的に止めるという仕様になっています.

普通の車だと、スターターをまわすと「キュルキュルブーン」くらいですよね.爆発行程3回目くらいまでにはエンジンがかかります.でもその日は、いつものようにエンジンスイッチをプシュッとしたのですが、「ウィーン」っていうような変なうなり音がして、「なんだこりゃ?」と思っているうちに10秒タイムアップでスターターが止まってしまいました.スターターの音ではなくて、ラジエターファンの音を10倍くらいうるさくした感じです.とりあえず何が起こったかよくわからず、もう一回エンジンスイッチを押してみたのですが、その時には「ウィーン」ではなく、「ギュッ」っていう感じの音がしたっきり何かが回るような音はしませんでした.で、10秒タイムアップで「カチッ」というリレーの切れる音がして終了.3回目も同じ.4回目はスターターリレーが入った「カチッ」っていう音がするだけで、「ギュッ」っていう音さえしなくなりました.

こういうときって、ちゃんと落ち着いて状態を観察すればいいんですが、普段と違う動作をされるとどうにもパニクってしまって、何度もエンジンスイッチを押してしまいます.4回目以降はリレーの動作音がするだけで、車の反応は無し.ようするに3回操作でバッテリーが上がってしまったわけですね.その状態になってやっと、カーナビのハードウエア情報でバッテリー電圧が表示できることを思い出して、確認してみると、11.9V.やっぱりバッテリー上がってます.あ?、もしかしたら、自分で付けたカーナビとかETCとかの接続を間違っていて、どっかで漏電してたかなぁ、と思って、オデッセイ号の帰りを待って、バッ直してみることにしました.

嫁さんが帰ってきてから、オデッセイ号に乗って駐車場に向かいます.車同士を近づけて、ブースターケーブルでバッテリーを直結します.その状態で、エンジンスイッチをプシュッとしてみたら、一回目と同じような「ウィーン」っていうような音がしました.やっぱり3回でバッテリーが上がってしまっていたようです.でも、バッ直してもエンジンがかからないことに変わりはありません.まあ、オデッセイ号もアイドリングでは十分な電力を発生しているとは思えないので、嫁さんと子供を携帯電話で呼び出すことにしました.

嫁さんに言って、オデッセイ号の回転数を3000回転くらいにキープしてもらいます.私が知っている古い知識では、車のオルタネータというのは、だいたい1500回転くらいで、仕様通りの電流を取ることが出来たはずですので、3000回転もまわせば十分かと思います.で、子供には、エンジンの中のオルタネータなんかを回しているプーリーを見ているように言って、その状態でエンジンスイッチを押してみました.やっぱり「ウィーン」っていうきりでエンジンはかからず、10秒タイムアップでスターターが切れます.その瞬間に子供が、「いまピクって動いた!」って叫びました.っちゅうことは、エンジン回ってないってことですよね.「ウィーン」っていうのはスターターが回っている音ではなかったようです.

バッ直してもエンジンがかけられないのであれば、私にはもう出来ることはないので、ディーラーに電話をかけて助けに来てもらいます.「バッ直してもエンジンはかからなかったし、そもそもエンジン自体が回っていないようだ」と伝えたのですが、どうもただのバッテリー上がりだと思っていたらしく、普通の乗用車にブースターケーブルだけ積んで来ました.でまたバッ直してエンジンをかけようとするのですが当然かかりません.サービスの方と私と交代でエンジンをかけて、もう1人がエンジンの状態を観察したのですが、私が見た限り、エンジンはチョロッとも回っていませんでした.スターターがフライホイールに噛み込む部分でギヤが欠けてるとか、そんな感じですねぇ、と、サービスの方と話をして、「とりあえず車持って帰りますから、カーキャリーで出直してきます」って言うので、「じゃあ、車のキーは渡していきますので、勝手に持っていってください」と、キーを渡しておきました.

何時間後に車を持っていったのか知りませんが、その日の晩にディーラーから電話がかかってきて、どうもエンジンが回らないらしい.クランク軸にレンチをかけて手で回そうとしてもビクともしないらしい.感覚的には、クランク軸の歯車に、何か異物が噛み込んでいる感じ、だそうです.う?ん、私も20年以上車に乗っていますけど、エンジンが回らなくなるような故障って初めてです.とりあえず次の日にスターターをはずして噛み込み部分を観察してみますということでした.

私も自分なりにイロイロと想像してみたのですが、ギヤに異物が噛み込んでエンジンが回らなくなるって、製造工程で誤って混入したネジが歯車に噛んでるとか、エンジン内部に残っていたバリが落下して、それが噛んでるとか、そういうことですよね.私には何の落ち度もないはずです.で、今日、ディーラーに出向いて、考えられる原因はそんなもんだろうと.そして、エンジンはメーカーの補償対象部品だし、どこに噛み込んでいるかわからない破片を探し回って、エンジンをバラバラに分解されても、もとの状態に組み直すことがディーラーのサービスのレベルで可能とは思えないので、メーカーの品質管理部門に現象を説明して、エンジンをおろしてメーカに送付して、原因を解析してもらって欲しいとお願いしてみたのですが、ディーラーもそのように考えていたようで、すでに交換用の新しいエンジンを注文済みということでした.

いや?、エンジン積み替えですわ.こんなこと初めてだなぁ.まあ、工業製品ですから、必ずある割合で不良品はあるんだし、一番不良が出やすいのはいわゆる初期不良であって、購入直後に出る場合が一番多いんですよね.しかし、もし本当にクランク軸に異物が噛み込んでいるのであれば、走行中に起こらなくて幸いでした.走行中、特に高速道路なんかを走っているときにそんなこと起こったら、命が無くなるかもしれませんからねぇ.まあ、不幸中の幸いです.でも、一生懸命にカーナビやバックカメラ、ETCなんかを付け終わって、さあこれから走るぞ、と思っていたところでこれですわ.もうすぐ年末ですし、ディーラーやメーカーはきっちり休暇取りますからね、エンジンの積み替えなんていうんじゃ、ディーラーで車が年越すのは間違いないです.得難い体験をさせてもらってちょっとラッキーな気分もしますけど、やっぱり残念は残念ですねぇ.メーカーからの回答がちょっと楽しみでもあります.