カキ食ってきました.

先日、カキを食ってきました.カキっていうと、全国区ではやっぱり広島ですよね.でも、兵庫県も瀬戸内海でつながっているし、揖保川とか千種川とかいい川がいっぱいあって、カキの養殖もさかんで、県内では、相生とか赤穂とか、特に坂越のカキはちょっと有名です.スーパーとかでもたくさんカキを売っています.でも今回カキを食べにいったのは室津です.室津っていうと、七曲がりの真ん中らへんにあるちっちゃいあの漁港かい、と思っていたのですが、このあいだテレビでやっていたんです.最近はカキの養殖もはじめて、そのカキを食わせる店も出来ているらしい.テレビに出ていたのは「住栄丸」というお店でした.さっそくネットで調べてみると出てきました.下記.

かき膳コース 住栄丸

ホームページの写真だけ見ると¥3150でこれだけであれば、結構いけてるっぽいのですが、写真は写真で、まあ話半分くらいと見るのが妥当な線でしょうか.テレビではけっこうゆったりとした座敷で、たっぷりと美味しいカキを食べていたようですが、これもテレビ用ということで、あまり期待はせずに、いつものようにカーナビの案内で出かけてみました.

七曲がりに行くことじたい十何年ぶりくらいだったので、なんか道が広くなって走りやすくなってるとか、こんなところにこんなお店が出来たのかとか、イロイロ発見をしながら現地に着いてみると、室津っていうより、ほとんど相生に近いような場所.七曲がりもほぼ終点で、最後の左コーナーの手前あたりです.こんなところにこんなお店無かったよなぁ、と思いながら、駐車場に車を入れようとしたのですが、ほぼ満員.観光バスも1台来てるし.なんか、ちょっとした名所みたいです.

入り口がちょっとわかりづらかったのですが、中に入ってみると、まあにぎやかなこと.団体さんのせいだと思うのですが、普通の声では会話が出来ないほどのにぎやかさ.中に入ろうと思っても、どこの席に座ればいいかわからず、アタフタと走り回っている係の人をつかまえて、「あの〜、予約してた者なんですけど」って言うと、「ちょっとそのままそこで待っててくださいね.いま片づけますから」って、目の前の机を片づけだしました.ものの2〜3分で片付けは終わり、席についたら、いきなり洗濯物をつけ置き洗いするようなプラスチックのタライに、カキがドンッと出てきました.テーブルの真ん中が焼き網になっていて、そこに係の方がカキを8個並べてくれました.あと説明はなし.机には「上手なカキの焼き方、食べ方」みたいなことが書いてあるものが置いてあって、それを見ながらカキを焼きました(わからないことがあれば係のものまでお尋ねくださいって書いてあったんですけど、わからないこともなかったので、自分たちで焼きました).

焼きだしてすぐに、酢ガキとゆでシャコが出てきました.酢ガキを食べてみたのですが、これがウメェ.カキの味が濃いです.かなり美味しいカキです.これは焼きガキも期待できそうです.ゆでシャコは、足がハサミで切ってあったので、食べるのはけっこう楽でした.自分の家でシャコをゆでて食べると、指や唇から出血しながら食べることになるのですが、今回は楽でした.そうこうしているうちに、カキがグツグツと煮えだして、パカッとふたが開きました.フタをめくるとこんな感じ.


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相生のカキは火を通しても身が縮みにくいという、何とも科学的とは思えない通説があるのですが、実際ほとんど身が縮んでいません.でっかいです.以前にどこぞのホテルで食べた焼きガキは、カラの大きさが10cmくらいあるのに、身は3cmくらいまでチンチクリンに縮んでしまっていて、焼きガキってこんなもんかと思っていたのですが、そんなもんじゃないです.そのでっかいカキを最初は味付けなしでパクッと一口で食べると、これがまたウマイ.海の味を濃くした感じとよく言われますが、瀬戸内海の海ってこんなにきれいな味じゃないよなぁと思うくらい、いい味です.とうぜん、海の味にカキの旨みも加わって、本当に美味しいです.カラの中に残った汁も当然うまいです.ポン酢をかけて食べると、う〜ん、なんか普通の味です.やっぱり味付け無しの方が美味しいみたい.焼きガキは1個食べるごとにタライの中から1個アミの上にのせることで、次々と食べることが出来ました.ひとりあたりにすると、焼きガキが10個でした.

さらに途中でカキフライが出てきました.カキフライ5個.これもでっかいです.身の小ささを衣の厚さレカバーして、カキを食べてるのか衣を食べてるのかわからないような、そんなもんじゃない.でっかいカキにかろうじてうすーく衣がついているだけで、一口で食べられないくらいでかい.これも美味しかったです.最後にカキ飯とカキの味噌汁.カキ飯はカキの身が細切れにされて、つぶ状態では見つけることが出来なかったのですが、味は絶品です.カキの旨みがものすごく凝縮されていました.塩梅も上々で、臭み消しのショウガがきいていてとても美味しかったです.カキの味噌汁は、う〜ん、どうなんだろうか.私は何も感じませんでした.隣の机の方は、「カキってお味噌汁にするとこんなに美味しいんですね」って話してたので、一般的には美味しかったのかもしれません.私は、普通の鰹だしの味噌汁の方が良いかな.

住栄丸のホームページには「大満足まちがいなし」って書いてあるんですけど、ほんと、大満足でした.ちょっとあれよりたくさんはカキばっかり食べられない、そのリミットギリギリくらいまで食べられました.ホームページの写真に偽り無しです.カキの産地に行くと、炭火焼き食べ放題なんていうのがよくあります.それはそれで魅力的なんですが、今回の経験から考えて、カキばっかり炭火で焼いても、そんなに分量は食べられないと思います.それよりも、色々な種類の料理が楽しめる、今回のようなコースの方がよかったと思います.

ただ1つ難点といえば、カキは部屋の中で焼くもんじゃないですね.とにかくカキの殻が飛び散りまくります.大きいものから砂粒くらいの小さなものまで.テーブルの上から、皿の中から、畳の上まで、カキの殻だらけです.何を食べても、口の中にカキの殻が入ってきます.あまりお上品に食べるものではないですね.それはそれで、指をなめなめ、口に入ったカラを吹き出しながら、「アチッ」とか叫びつつ、そうやって食べるのがまた美味しいんでしょう(焼きガキの食べ放題っていうのがたいがい野外でやっている理由がよくわかりました).

今回は大満足でした.味を考えると値段も安いし、機会があれば何回でも行きたいです.でもできれば、もう少し混んでないときがいいかな.