まったくマスコミってヤツは.

このタイトルはマスコミ批判ではなくて、マスコミ報道に大きく依存している私の物事の判断基準を自分自身で嘆いているという現状を表した言葉です.私は主にNHKと毎日放送のニュースを見ています.今日の新型インフルエンザの感染者数は190人くらいまで増えたようですが、一昨日→昨日の感染者数の増加から見れば、昨日→今日の増加数は明らかに少ないです.あまりインパクトのある数字ではありません.しかし、「感染の疑いのあるもの」という数字を公表していないので(こんな数字を公表すればパニックを引き起こす可能性は十分にあり、公表すべきでもないと思っていますが)、公表されている数字はあくまでも詳細な検査を完了して新型が確認された数字であり、その数がイコール感染者数と見るのは大きな間違いだとは思っています.

しかし、私のような単純な人間は、ニュースで感染者数が爆発的には増えていないという報道を見ると、「なんだ、これで感染拡大も頭打ちになって、終息に向かうのかな」なんて、簡単に思ってしまうわけです.今日の関西ローカルニュースのトップは、漢字検定協会の理事が逮捕されたという件.次が広告用のDMを不当に安価に発送することを黙認していた郵便会社の人が逮捕された件.そして3番目が新型インフルエンザのニュースでした.こうなると、昨日までトップニュースで、しかもニュースの時間の大半をさいて報道していたときとは明らかに勢いが違って、なんだか大したこと無いニュースのように感じてしまうのが私の浅はかさです.現実には、今朝がた姫路市で二人目の感染確定者が確認されています.

学校の休校が始まってから今日でまだ二日目ですが、うちの子供たちはうちから一歩も出ずにおとなしくしています.しかし、うちにいてもヒマだからと、街に出て遊んでいる中高生がいることも事実ですし、共働きの家庭では、子供が休校になったからといって、親が仕事を休んで一日中子供の面倒を見るというのもなかなか難しい問題です.そういう家庭で子供1人に留守番をさせると、子供は退屈で、友達を誘って遊びにでてしまうんでしょうね.無責任とか緊張感が足りないとか言われそうですが、現実問題としてはそうなるのは当たり前の行動だと思います.

今回の件については、国もWHOも、強毒性のインフルエンザが発生した時を想定して策定してあった行動指針に従って動いたわけですが、これがどの程度のものか判断するにはいい機会になったのではないでしょうか.幸いなことに今回の新インフルエンザは、弱毒性であり感染力も並です.いわゆる普通のインフルエンザと同じ程度のものとか.それに強毒性で感染力が強いインフルエンザの対策を当てはめたわけですが、神戸市なんかではすでに病院はパンクしていますし、感染経路の確認もほとんど出来ていません.濃厚接触者は確認できているだけで何千人もいるらしいですけど、その元になっている感染者は50人くらいが調査できているだけで、まだ100人以上の感染者については濃厚接触者の調査は出来ていないようです.

今回のインフルエンザが弱毒性のまま終息に向かうのか、どこかで強毒性に変異するのかは、まだまだわかりませんが、国やWHOが策定した行動指針を評価するには絶好のチャンスではないかと思います.パンクした神戸市の状況を見れば、強毒性で感染力の強いインフルエンザであればまったく対応が取れない状況に追い込まれていたであろうことは容易に想像が出来ます.タミフルの備蓄は十分にあるとか言ってましたけど、一番基本であるマスクの備蓄は全くなかったみたいです.手洗いの石けんが底をつくということは考えにくいですけど、マスクが買えなかったからしかたなくマスク無しで通勤電車に乗らなければならないなんていう状況は、ちょっとおマヌケです.

とりあえずは今回のインフルエンザを終息させることが一番の課題ですが、終息したあとには、この経験をいかして、もっと現実に即した行動指針をまとめる必要があると思います.本当に強毒性で感染力最強のインフルエンザが発生していたら、悲惨な状況になっているであろうことは現状からでも容易に想像がつきますから.