LUMIX DMC-LX7用のリングライトを作ってみた(その1).

私は新しく買った「LUMIX DMC-LX7」というカメラを非常に気に入っています.とにかくレンズが明るいおかげで、室内で撮るときでも、フラッシュをたく必要がない.天井の蛍光灯だけで、ほとんどの写真を撮ることが出来てしまうくらいレンズが明るいのです.そして、ものすごい近くまで寄ってもピントが合う.なので、室内でいろんなものに近寄って写真を撮ることが多いのです(雪降ってて寒いから、外に出る気がしないし).ところがいろんなものに寄りまくって写真を撮っていると、それはそれで問題が出てきます.一番困るのが、自分自身(カメラのレンズの先っぽ)の陰が被写体に写り込んでしまうこと.


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ベジータの顔から下に、カメラのレンズの陰が出てしまっています.だからって安易にフラッシュをたくと、


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ベジータの顔にだけフラッシュが当たって、体はレンズの陰になってしまいます.


これに対してどう対処すればいいのかというと、一番簡単には被写体の周囲に均等に光源を用意すればいいのですが、事実上不可能ですので、レンズの周囲に円形のライトをつけたリングライトというものを使います.ただ、これが目ン玉飛び出すほど高いのです.と思ってググってみたら、あれれ、最近は高輝度LEDと中国生産のおかげで、数千円で買えちゃうんですねぇ.すごい世の中になったもんだ.その昔は、リングライトと言えば、広告用のカメラマンさんとかが使う、それはそれは高級なオプションだったんですけどねぇ.


あとどうしても気に入らなかったのは、「使用可能レンズ口径は77mmまでです」とか.つまり、ライト本体の直径は100mmほどもあるのです.ヘタなコンデジよりライトの方が大きくなってしまう.私のLX7はレンズの口径が37mm.これに100mmのライトをつけるって言うのは、あまりにもナンセンスな話に思えてしょうがありません.ということで、じぶんが、まあ満足できる程度の性能のリングライトを自作してみることにしました.


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できました.カメラのフィルターなんかを作っている「ケンコー」という会社の、37mm→52mmのステップアップリングを買ってきて、段差部分に秋月電子で買った高輝度LEDと直列抵抗を配線したものです.電源はスマホ用の補助電池を使うために、USB端子から5Vを取っています.


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カメラに装着するとこんな感じになります.そしてこいつを点灯すると、


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こんな感じで光ります.ちょっと肉眼で直視できないほどの明るさです.ちなみにこの写真を撮ったカメラはフラッシュをたいているので、それに十分負けない光量があるということがわかります.で、このリングライトの実力というか、どんな写真が撮れるのか、リングライトなんて使ったこともなかったので、ちょっと撮ってみました.


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私が生まれた年に、亡き父が買ったという遺品の時計です.けっこう良い感じで写るもんですねぇ.


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PICの開発キットに付いているマイコンのクローズアップなんですけど、なんだかもう実体顕微鏡と同じくらいの大きさで写りますねぇ.いくら掃除をしても取れない細かいホコリがたくさん写っています.


さて、けっこうオソロシイほどの性能を発揮した、お手製のリングライトなんですが、1点だけ、どうしても気に入らない点があって作り直しました.狭いところに小さな回路を組むのが好きな私ですが、37mm→52mmのステップアップリングの段差部分という、非常に制限の厳しい部分に、高輝度LEDと制限抵抗を8セット乗せて電源配線をするという事で、できるだけ面積を稼ぐために、ステップアップリングの外周部分ギリギリから部品を配置してしまったんですね.ところがこの部分というのはカメラレンズにとってはけっこう重要な部分で、もう1つフィルターをつけたり、レンズキャップをつけたりするときに使うネジが、この部分に切ってあるのです.ギリギリに部品を配置すると、このネジが使えないため、フタができない.つまり、リングライトをつけているときには、レンズにキャップをすることができないのです.こりゃちょっと格好悪いわな、ということで、2次品の目標は、リングのネジを使えるような部品配置にすること.ついでに、制限抵抗の値を半分にして、光量を2倍にすることにしました.