南紀白浜の長久酒場.

南紀白浜の長久酒場といえば、居酒屋探訪家の太田和彦氏が全国の居酒屋めぐりをはじめるきっかけになった店として有名です.そんなお店に行ってきました.2回目かな.有名な方が絶賛するお店ですが、以外にもあっけないほどわかりやすい場所にあって、海水浴で有名な白良浜の目の前です.裏には「三楽荘」というホテルがあって、こちらも温泉、食事ともに大変満足のいく立派なホテルなのですが、三楽荘に朝食のみで宿泊予約をして長久酒場を楽しむというのが、ベストなワケです.今回の私もそうしました.

ホテルのチェックインは15時ですが、長久酒場は16時スタートですので、1時間ほどイジイジと時間をつぶします.移動時間を考慮して5分前に部屋を出て、16時ピッタリ、開けたてで空気がピカピカの長久酒場に一番乗りです.


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メニューは、街場のバカ居酒屋ほど豊富ではないのは当たり前なのですが、本日の流れを考えるまでの時間つぶしに、意味不明の貝類なんかを注文しておきます.それと生ビール.

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これは「くろべ」という巻き貝だそうで、塩ゆでですね.「がんがら」とも呼ぶそうですが、どちらも聞いたこと無いです.待ち針みたいなもので、クリクリッと身を抜き出します.美味しいです.飛び上がるほど美味しいわけではないけれど、いわゆる磯場にザラザラいる貝の濃い味がします.


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上手に抜けると、こんな風になりますが、成功する確率は8割ほどかな.どうしても途中でちぎれてしまうものもチラホラ.


さて、調理台を見ていると、ガサガサと紙の包みから、立派なカツオが出てくるではありませんか.「それってお刺身にしてもらえますか?」と聞くとOKとのこと.届いたばかりのカツオをお刺身でいただくことにします.

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見ただけで、もう美味しいとわかるその刺身は、身がモチモチです.ワサビがちょっと残念.あと、ニンニクをつける習慣はないのかな.ショウガでした.


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ここはカツオに負けない強めのものをということで、長久の生濁り冷酒をお願いしました.味は太いのですが甘みも少なく、サッパリと飲みやすいお酒でした.


ここ長久酒場の名物は、ウツボの網焼きで、カウンターにも一人用の網焼き機がバラバラと適当に置かれているので、ウツボに行くのは必定なのですが、その前にクジラの網焼きを.

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シーシェパードが卒倒しそうな食べ物ですが、焼いている姿は、牛や豚の焼肉と何ら変わりなく.


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一人でゆっくり、一切れずつ焼いていくのですが、薬味のショウガがこぼれないように片面焼きで.肉をめくって何度も焼け具合を確認していろいろタイミングを探るのですが、下がちょっと焦げ目がついて黒くなったあたりで、でも上の方はまだ生の状態で、そのあたりがどうも食べ頃のようです.まさにクジラらしい味で、でも臭みは全然無い、と私は思うけど、クジラ嫌いな人にはきついのかも.で、いよいよウツボの登場.


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見ていると、開いて一夜干しにしたものをクルクル巻いてあるみたいで、それをキッチンばさみでジョキジョキと切って出してくれます.皮目はまるっきりウツボですね.


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焼くとこんな風になります.ちょっと縮んでちょっと膨らむ.クジラと違って何回もひっくり返して、皮がバリバリになるくらい良く焼いた方が美味しいそうです.これを砂糖醤油につけて食べます.お餅をつけて食べる砂糖醤油です.それが、何の不自然さも感じないんですよね.食べながら、「普通の醤油じゃダメかな」とか「ポン酢とか」なんて、いろいろ想像してみるのですが、やっぱり砂糖醤油が一番合うみたいです.モチモチしていてこくがある.小骨はない.皮はパリパリ.なんかものすごい精力がつくらしいけれど、効果のほどは定かではない.


なんかちょっとまだ物足りない感じがしたので、イノシシ肉も頼んでみました.

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なんとまあ、綺麗なお肉でしょうかね.食べた感じは、豚肉よりこくがあって、でもサッパリした感じ.臭みが全然無いのは、獲った直後の血抜きがしっかりしているからだそうです.


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さてそろそろ最後の締めに、ということで、釜揚げしらす丼を.なんかもうだいぶん酔っぱらってたんですけれど、しらす丼好きの私ですから、食べて美味しくないわけが無く、大満足でした.ただ、丼というにはちょっと器が小さかったかなと思ったので、本当の最後の締めで、地元名物のサンマ寿司を.


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こいつがまた最後にふさわしくガツンとうまかったです.サンマを熟成させているのか、うまみが非常に強くて、全体の味も濃いめです.でも、一口サイズでポコポコッと平らげてしまいました.いやぁ、本当にココロから満足でした.


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外に出てみると日も暮れて、時間はもうすぐ午後7時.3時間かけて居酒屋さんを楽しんだわけですな.いやぁいい時間だった.あとはホテルに戻って、自慢の温泉に入って、寝るだけです.