「エリクサー」入手しました.

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「エリクサー」買いました.ファイナルファンタジーシリーズでは、ちょっとしたボスキャラと戦うときにはとっても便利というか、ほぼ必須アイテムであるところの「エリクサー」です.私は最近にわかに洋酒にこっているのですが、いや〜、探せばいろんな物があるものですね.というか、ファイナルファンタジーが古い世界をよく研究していると言うべきか.

その昔、錬金術がさかんだった頃、世の錬金術師たちは、何とかして「金」を生み出すことが出来ないかと、いろんな物を混ぜたり、煮たり、たたいたり、のばしたり、あぶったり、まあいろんな事、思いつくあらゆる事を試したんだと思います.そんな中で出てきた技術が「蒸留」という技.煮ることで一度蒸発させた蒸気を、冷やしてもう一度液体に戻すという技.これによって、それまでは比較的低いアルコール度数しかなかった醸造酒が、飛躍的にアルコール度数の高い蒸留酒になったわけです.で、これを飲んだ人はあまりの度数の高さに、これは、不老不死の霊薬である「エリクサー」を作ることが出来るのではないかと思ったわけです.そしてまた、蒸留した物にいろんな薬草をつけ込んだり、樽で熟成させたり、それをまた蒸留したり、それに蒸留前の液体を混ぜたりと、様々な方法で「エリクサー」を求めたわけです.これが、世に言うリキュールの始まりなんだそうです.

ですから、カンパリにしろ、シャルトリューズにしろ、ビンの裏面のラベルには「リキュール」としか書かれていません.何から作ったリキュールかということは書かないんですね.何しろシャルトリューズなんかは130種類ものハーブが漬け込んであると言われていますので、ラベルに書くこと自体不可能です.書かれたって、見た方も何のことだかわかりませんし、だいたいそのハーブを使うことでどんな香りがしてどんな味がするのか全てを理解することも不可能です.だから普通リキュールには成分表示はないのです(門外不出であえて秘密にしているということもあります).

さてそんなシャルトリューズのリキュールの中に「エリクシル・ヴェジェタル(植物の霊薬という意味)」という名前のリキュールがあります.この「エリクシル(霊薬)」こそが「エリクサー」のことなんですね.写真では普通、木の外装だけで写っていることが多いのですが、中のビンはご覧の通り、何の変哲もないビンです.ラッカー薄め液でも入っているかと思うようなちゃちなビンです.でも中身はラッカー薄め液より強烈な物が入っていました.

色は濃いグリーンです.香りは、強烈にロンドンジンのような香りがします.ヤニ臭いのですね.そして、アルコール度数は71%.とてもそのまま飲めた物ではないのですが、「エリクサー」初体験ですから最初はストレートで一口飲んでみました.舌が痛いです.そして強烈なハーブ香.甘口なのはわかるのですが、アルコールと植物性のエキスの強さで、何もかもが超強烈です.本当は角砂糖に染み込ませてそれをかじっていくようにして飲むらしいのですが、我が家には角砂糖がなかったので、仕方なく水で半分ほどに割ってみました.
それでもまだまだ強烈なハーブ香です.アルコールは先の印象もあってか、さほど感じなくなりましたが、飲み込んでも飲み込んでも、口の中に植物の香りが居座ります.10分くらいたってもまだ感じます.強烈です.

確かに戦闘中にもう戦えなくなったとき、この「エリクサー」を1ビンいっきに飲んだら、大変なことが起こりそうな気がします.徹夜明けでも仕事をしなければならないときなんかに、1ビン飲むと、すごいことになりそうです.でも、実際に飲んでみた印象では、ファイナルファンタジーの「エリクサー」というよりは、ドラクエの「バッカスの酒」に近い気がします.これを一気飲みすると、死ぬまで戦い続けるような....

追記:
ロックにしてみました.といっても、アルコール度数を下げるために、ほとんどクラッシュアイスみたいな小さな氷ばかり入れて.温度も下がり加水されて、とても飲みやすくなります.しばらくすると、不透明に濁ってきます.水が加わってアルコール度数が下がったのと、温度が下がったので、溶けていた油脂成分が析出してきているんだと思います.色だけ見ているとちょうど抹茶のようですが、飲んでみると、酒と言うよりは、やはり、薬ですね、これは.