中国でのiPhone用SIMカードの購入と使用.

|カテゴリ:

実は中国に行っていました.何をしに行っていたかとかは、そのうちおいおい書くかもしれませんけれど、今回は、中国でiPhone用の3GのSIMカードを購入して使用するまでのことについて書きたいと思います.事前にいろいろ調べていったつもりなんですが、実際にやってみていろいろとわかったこともありますので、今後チャレンジしてみたい方の参考になればと思います.なお、中国語はまったく理解できなくてもOKでした.

まずは大前提として、SIMフリーのiPhoneが必要ですが、これはネットで買うなり香港で買うなりして準備してください.私はネットでジャンク品を買って、国内品のiPhoneの中身の基板だけ交換して、普段はb-mobileのSIMで使っています.そのままでももちろん国際ローミングで使用することは可能ですが、オソロシイほどの使用料金を請求されることが怖くて事実上使えない状態ですので、なんとしても中国国内用のSIMカードを購入したかったのです.iPhoneに使える3GのSIMカードを入れれば、中国で心おきなくパケット通信が出来るので「マップ」アプリが使えるようになります.そうすれば、一人で知らない町を歩き回っても、無事にホテルまで帰ってこられるようになるので、行動範囲が格段に広くなるし、ビクビクしながら歩かなくてもいいですし.ちなみに、日本からGoogleMapで中国を見てみると、航空写真と地図が数百mずれています.実際の地形と地図データがずれているので、iPhoneの「マップ」アプリでもこの状態であると、せっかくGPSが使えても事実上地図として使えなくなってしまうのですが、最近では北京や上海などの大都市圏でiPhoneの「マップ」アプリを起動したときに、地図のズレが補正されるというようなこともネットに書かれていたので、もしかしたら私の行く町でも補正されていて、アプリがちゃんと使えることを期待していました.実際補正されていました(広東省中山市です).

まずSIMカードを手に入れるためには、それを売っているお店に行く必要があるのですが、行き当たりばったりでは危ういので、あらかじめパソコンなどで、チャイナユニコムの営業所の場所を調べておいて、そこに行くようにするのがいいでしょう.わたしが調べておいた支店までは、ホテルから距離にして500m程度なんですけど、さすがに暑くて汗だくになります.歩いてみると、チャイナモバイルとチャイナテレコムのシェアがいかに大きいかがよくわかります.両者の看板を掲げるお店は何軒も見るのに、チャイナユニコムの看板は1つもないです.歩いて歩いて、やっとたどり着いたチャイナユニコムの看板の前に立ってみると、ガラス張りの店内はがらんとしていて、張り紙を見てみるとたぶん「親愛なるお客様、改装中につき営業してません.申し訳ありません」とか書いてある雰囲気でした.しかたなくホテルまで歩いて戻りました.途中暑さに耐えかねて、ちょうどあったスーパーマーケットの中に避難しました.そこにも携帯電話屋が入っていたのですが、やっぱりチャイナモバイル.ひとしきり涼んでからホテルの前まで戻り、さてどうしたものかと考えるまもなく、帰ってきた道をそのまままっすぐ歩いて行きます.つまり、最初に行った方向とは逆の方向に歩いて行きます.何かあるような気はしていなかったんだけど、10分くらい歩くと、奇跡か?チャイナユニコムの看板を上げる店を発見.でも、外から見ても、中をのぞいてみても、携帯電話は置いてない模様です.でも壁には3GのSIMカードのポスターが貼ってあります.心を決めて、iPhoneにあらかじめ入れてあったSIMカードの写真を画面に表示させた状態にして、店の中に入っていきます.

P1030087.JPG

店にはカウンターが1つあって、女の子が3人座っています.「ニーハオ」といいながらカウンターに近づき、iPhoneに映っているSIMカードの写真を見せて指さすと、女の子たちは「うんうん」とうなずいている.そこで日本のパスポートと財布をカウンターの上に並べると、とたんに女の子たちは「なに、これ、どうしよう」ってな顔でキャーキャー騒ぎ出した.奥から女将さんみたいな人が出てきたので、同じようにSIMカードの写真とパスポートを見せると、なんかわからんけど中国語でまくし立てる.店の奥からSIMカードの束を持ってきたので、「OK、OK」と言いながら、手帳に「96元/月」と書いて見せると、またなにやらまくし立てて、ちょっと困った顔.電話でどこかに連絡をしたりしている.そのうちチラシを持ってきて私に見せながら指をさす.そこには赤い字で「56元/月」と書いてあるが、上を見ると「96元」と書いてある.

スキャン.jpg

どうも、「サービスセール中につき、96元プランを56元/月でご利用可能です」とかいうことらしい.なんだかよくわからないけど「OK、OK」と言った.そうこうしているうちに、呼んだのか偶然か、チャイナユニコムの制服を着たおばさんが入ってきて、またなにやら大声で話し込んでいる.様子を見ていると、また奥から、こんどは大将みたいなおじさんが出てきて、自分の持っているiPhone4を見せて、SIMトレイの部分をさして、指で「ちっちゃーい」っていうようなジェスチャーをする.売っているSIMカードと、iPhone4のマイクロSIMカードとは、サイズが違うからダメだろうということらしいが、もちろんiPhone 3GSのSIMならサイズはOKのはず.私のiPhone 3GSのSIMをその場で抜き出して、FOMAカードを見せたら、「OK」と言う.OKですよ、3GSはね.パスポートのコピーを取って、女将さんがメモ帳に「預700」と書いてから、ボールペンでグリッと「800」に書き直して、その後に「元」と書く.デポジットで800元を入れろということらしい.日本語で「高いよ!」と叫んで、財布から300元を出してカウンターに置いて、じっと見つめていたら、また大将と大声で相談をしだして、しばらくして大将が「OK、OK」と言ってくれた.メモに「香港100元、日本200元」と書いた.香港の意味がわからなかったけど、100元(約?1500)くらいどーでもいいかということにした.で、こんどは、電話番号が書かれた紙のリストを持ってくるので、たぶん番号を選べと言うことだと思って適当な番号を選んだら、それもそれで完了.SIMカードを渡してくれて、その代わりにカウンターの300元を取り上げる.丁寧になのか、規則なのか、手書きの領収証までくれた(なぜか金額の数字が全て漢数字).最後にまた女将さんが、私に向かって中国語でなにやらまくし立てる.状況から見て「使用上の注意」みたいなことを言っているんだと思うんだけど、SIMをもらった以上もうどうでもいいので、にっこり笑って「ブーミンバイ(わかりません)」と一言叫ぶと、居合わせた女の子たちが大爆笑してくれてちょっと嬉しかった.結局そのお店を出るまで意味がわかった言葉と言えば、最後に女の子が言った「バイバーイ」だけだった.

P1030086.JPG

SIMカードを手に入れて、ホクホク顔で歩いていると急に夕立が降ってきて、たまたまあったマクドナルドに避難.指さしのみで、「ダブルチーズバーガーのバリューセットで、飲み物はコカコーラ」と注文する.値段は23.5元.日本円で¥300ほど.経済格差を考えると、けっこうな高級品ですな.味は、良くも悪くも、日本とまったく同じ.フライドポテトに使っている油がちょっと違う感じがした程度.

ハンバーガーを食べ終わってから、さっそくiPhone 3GSにチャイナユニコムのSIMを仕込んでみる.

P1030091.JPG

あっという間に認識完了して、確認画面が出るが、意味がわからないまま「了解」を押す.

IMG_0194.jpg

その時点でもう、チャイナユニコムにつながっています.ほんとうなら「3G」と表示されるところに「E」と表示されているのは、iPhoneの設定で3Gを有効にしていないからだと思います.

IMG_0196.jpg

そうこうしているうちに、宣伝か説明かわからないSMSが大量に届く.

IMG_0198.jpg

iPhoneの「設定」で「3Gを有効」にして、「データローミング」もONにする.

IMG_0202.jpg

ここまできてやっと「マップ」アプリを起動して、自分の位置のリロードをしてみたら、ちゃんと出ましたよ、自分の位置が.実際に広東省中山市のマクドナルドで、見事に自分の位置が表示されました.心配していた位置ズレもまったく無しです.嬉しいですねぇ.これで迷子になる確率も減りますしね、行動範囲も広がることでしょう.

IMG_0203.jpg

さて、地図の表示が出来ることはいいとして、実際に電話機として使うにはどうしたらいいのか.中国内の電話にかけるのは簡単で、電話番号をそのまま使えばいいだけです、当たり前のことですけどね.問題は、日本にかけるときですよ.どうしたらいいのか.方法が1つなら、それしかないのでわかりやすいのですが、実際にはいくつかの方法がありますので、それを説明します.

IMG_0205.jpg

こんなSMSが来ます.中国語はわかりませんけど、日本にかけるときには「0081」の後に番号を付ければいいということのようですが、その前に「10193」を付けろというようなことも書いてあります.

IMG_0208.jpg

こんなSMSも来ます.これを見ると、「10193」のほかにも「96525」という番号もあるみたいですね.いったいどうすればいいのか.以下のようになります.

写真.jpg

基本は、「0081」の後に、「市外局番」の先頭の「0」を除いた番号を続ければ日本に電話をかけることが出来ます.これがいわゆる普通の電話のかけ方です.普通ならこれしか方法がないはずなんですけれど、電話会社の独自のサービスとして、「0081」の前に「96525」を付ける方法と、「10193」を付ける方法があります.これはたぶんインターネットを使ったIP電話だと思います.どちらも実験で日本にかけてみましたが、どちらもタイムラグもなく、音質も問題なく、言われなければIP電話だとは気がつかないと思います.では、どっちの方が安いのかということですが、これは電話代を確認したわけではありませんが、下記のサイトの情報によれば、「10193」の方が安いようです.

http://www.chinaunicom.com.cn/news/gdxw/file962.html

こちらのページの本文の最後で、アメリカ(美国)にかけた場合の例が書いてありますが、普通にかけると8元/分、「96525」を使うと1.6元/分、「10193」を使うと0.29元/分と書いてあります.日本も傾向は同じでしょうから、「10193」が一番安いということになると思います.ただ、ちょっと気になるのは、「广??通」という言葉が出てきます.これはたぶん「広東省のチャイナユニコム」っていう意味なので、違う地域では違う料金体系や番号体系になっているのかもしれません.

日本にSMSを送るときには、「0081」で電話をかけるときと同じ番号にSMSを送ればそのまま届きますし、それにそのまま返信してもらえばこっちに返事が届きます.日本から中国の携帯電話にSMSを送るときには、電話番号の頭に「+86」を付ければ届きます.日本の番号と違って、番号の先頭の1文字を削除する必要はありません.

ということで、中国でiPhoneを気兼ねなく使うことが出来るようになりました.こんど中国に行ったときには、チャージしてある電話代の残高確認と、新たに電話代カードを買って電話代をチャージする方法を体験してみたいと思います.